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    taranotadanome

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    taranotadanome

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    自由アスカガ
    指輪下げる話の続きです。
    指輪このタイミングで下げたなら、
    こんなやりとりあったでしょ!が形になりました。
    小説でしっかり描写されている所は端折りました。
    あとちょいちょい捏造しました。
    勢いで書いたので所々読みづらい所あるかもです。
    途中謎に湿っぽい描写あります。お気をつけください。

    #アスカガ

    君たちと一緒に。この日も混乱は続いていた。
    各国から説明を求める要請が相次いでいる。
    コンパスを主導したのはオーブ、カガリだ。
    責任問題を問われるのは重々承知だった。
    そしてこちらから動ける調査は徹底して行なった。
    その一つ、衛星から、アークエンジェルと思しき艦の残骸を確認。
    不沈艦と言われたあのアークエンジェルの無惨な姿に皆が言葉を失った。

    またドクドクと心臓が脈打ち始める。
    服の下に隠れている指輪をぎゅっと握る。
    (落ち着け。大丈夫。まだ、大丈夫。)
    度々ターミナル用の端末を確認する。
    もしこれに何か裏があるのなら、様子を見て敢えて公に連絡して来ていない可能性も十分ある。
    そうであれば、連絡が来るのはこの端末だ。
    今は、待つしかない。今は。
    己に強く言い聞かせて踏ん張る。

    数時間後、
    緊急でコンパス参加国の会談を行う事になった。
    どの国もまともな情報を掴めておらず、困惑した様子だった。
    どうしてどこも情報が掴めていないんだ。
    一体、今の今まで何をしていたんだ。
    カガリは苛立っていた。

    これからの事を話を進めようとした時、
    ユーラシアの勝手な言い分、
    大西洋連邦とプラントの小競り合いが始まり、身内のキラにあらぬ疑いを掛けられ。
    カガリは顔を顰めた。

    何故、今、誰が撃った、撃たれたの話をしなければならない。
    そうじゃない。
    この場はこれからどうするべきかを話す場ではないのか!

    気づいたら声を張り上げていた。


    その後の対応に追われ、あっという間に時間は過ぎていき、気づいたら日付が変わろうとしていた。
    端末が鳴ることはなく、彼らの生死を決める時間が迫っている。
    今は、執務室の隣にある仮眠室のベッドに腰掛けていた。
    スカーフを取り除きブラウスの下から指輪を取り出し、ギュッと握った。
    もし、この端末が一生鳴らなければ…
    そこまで考えて頭を振る。
    焦りと不安が嫌な事を考えさせる。
    キラ、ラクス、ラミアス艦長、フラガ大佐、シン、メイリン、アークエンジェルのクルー達、アスランーーー。
    誕生日が終わる寸前の事を思い出す。
    『誕生日おめでとう』
    『戻ったらちゃんと祝わせてくれ』
    「ーーーー……っ…」
    まずい。今まで大丈夫だといい聞かせて踏ん張っていたものがぼろぼろと崩れ落ちはじめる。
    嫌な考えが頭をよぎる。
    どうして何も連絡して来ない?
    祝ってくれるんじゃなかったのか?
    違う。違う。
    そんな事が言いたいんじゃない。
    指輪を握る手にさらに力を込めた。
    まだ、まだ、ダメなのだ。
    ここで崩れ落ちるのは。
    しかし一度崩れ始めたものはどんどん亀裂を広げてカガリの心を痛めつける。
    喉が勝手に閉まり、鼻奥がツンとした。
    視界が滲み、目に涙が溜まる。

    目に留まっていた涙が限界を超え、
    溢れそうになった時、
    ピピピと電子音が鳴り響いた。

    「っ!」

    あの端末からだ。
    急いで端末の通信ボタンを押した。

    「っ…ぁ…!」
    上手く声が出なかった。
    『カ、…っ、…遅くなってすまない』
    「…っ…いや…」
    画面に映し出された藍色の髪に翠の瞳。
    間違いなく自分が愛する人だった。
    後ろに見知った顔も何人か見える。
    スッと心が軽くなった。
    (よかった…っ!)
    目に溜まった水分拭った。
    喜びの涙をグッと堪える。
    すぐに切り替えて、やるべき事をやらねば。
    「……無事でよかった、今の状況は?」
    『エルドアにいたコンパスメンバーは概ね救出に成功した。キラやシン、アークエンジェルの面々も無事だ。後で生存者とMIAリストを送るから確認しておいてくれ。…ジャミングの影響が思ったより酷くて報告が遅れた。すまない。とりあえず今はオーブ方面に向かってる』
    「………そうか、わかった。そのままアカツキ島へ向かってくれ、キサカとエリカを向かわせる」
    『了解した』
    「とりあえず、お互いの情報を共有しよう。」
    『…あ…ああ…』
    「?どうした?」
    『…あ…いや…』
    アスランはなんとも言えない顔をした。
    何か他にもあるのだろうか。
    なんだ?と困惑していると画面に少し映っていたメイリンがこちらを向いてニコリと笑い胸元を指差しトントンと叩いた。
    「……!」
    そうだった、指輪を下げているのをすっかり忘れていた。
    さらにボタンも外しているので少しだらしない感じになっている。
    急いで指輪をブラウスの中に隠し服を整えた。
    「んんっ、す、すまない。えっと、まず、そちらから頼む」
    『……了解した』

    何とも言えない空気の中、お互いの情報共有が始まった。アスランだけではなくアークエンジェルクルー達からも何があったか詳細に聞いた。
    端的に言えば嵌められたのだ。
    ファウンデーションに。
    キラのユーラシア侵攻の件はやはりよくわからない事が多いが、キラ達が無事な事は一旦伏せておいた方がいいだろう。
    こうなるとラクスの身が心配だ。
    もしラクスの拉致が目的なら何か意図がある。
    (まさか、ディステニープラン…?)
    さらに、これを口実にファウンデーションがユーラシアに対して報復に動く可能性も高い。
    女帝アウラ率いるブラックナイツ達は今恐らく宇宙にいる。
    宇宙から仕掛けて来るとすれば、もしかしたらーーー。

    先手を打たなければ。

    急速に頭が冴えていく。
    何をやらなければならないか、
    明確に頭に浮かび上がる。
    その場で出来る指示はすぐに出した。
    早いに越した事はない。

    「……とにかく、アカツキ島に入ったらまた連絡をくれ。」
    『了解した。』
    「…キラは、大丈夫そうか?」
    気掛かりだった、片割れの様子。
    画面に映らないという事は今は休んでいるのだろう。
    『……あぁ…身体は大丈夫だが。精神面がな…』
    「そうか…」
    無理もない。ラクスに攻撃許可を出され、
    ブラックナイツに撃墜されたのだ。
    今そのラクスはファウンデーション側にいる。
    キラの事についても何とかしなくてはいけない。
    『…その辺りの話もアカツキ島に入ったら報告させてくれ。…厄介な事かもしれない』

    「わかった。じゃあまた、気をつけて」
    『あぁ』

    プツンと通信が切れた。
    瞬間、肩の力が抜け、
    そのままベッドに倒れ込んだ。
    思った以上に気を張っていたようだ。
    無意識に歯を食い縛っていたのか口の中がじんとする。
    先程仕舞った指輪を服の上から握りしめた。
    (よかった…本当によかった…っ)
    忘れていた涙がポロポロと頬を滑り落ちていく。
    こんなに泣いたのはいつぶりだろうか。
    先程まで冴えていた目が嘘の様に目蓋が重くなる。どっと眠気が押し寄せ、それに抗えずカガリは目蓋を閉じた。

    ◇ ◇ ◇

    キラ達がアカツキ島に帰還してすぐ、
    アスランとメイリンから報告を受けた。
    エルドアでの詳しい状況、
    ブラックナイツ達の能力、
    アウラ女帝の正体、
    コロニー・メンデルとの関係。
    また。まただ。
    またこの場所に振り回されている。
    片割れであるキラが心配だ。
    一度、アカツキ島に顔を出さなければと思っていた矢先、トーヤが慌ただしく執務室の扉を開けた。
    モスクワにレクイエムが撃たれたのだ。

    緊急の首脳会議の最中、露見した彼等の目的とラクスの正体。
    まさか、こんなに早く奴らが動くとは思っていなかった。
    急がなければ。
    各所に指示を出し、対応を急がせていた時、
    あの端末が鳴った。
    今回は通信ではなくメールだった。
    『ラクスを救出する為に動く。
    君に力を貸して欲しい。』
    その下には作戦の内容と、
    キャバリアーアイフリッド-2とストライクルージュの出撃要請。
    その打ち合わせをしたいという旨が書かれてあった。
    (打ち合わせ…?)
    ともかくこの後のスケジュールを逆算する。
    トーヤとサイを呼び出しメールの内容を見せ、時間の調整と軍に協力要請を出させた。

    『了解、3時間後にまた連絡する』
    と返信し、再びこの件の対応に戻った。



    ーーーー3時間後

    「リモート操作…!?…私が?!」
    『あぁ、奴らは俺たちの心が読めるみたいだからな。キャバリアーなら理論上、月の裏側にいてもタイムラグ無しで機体を操作出来る』
    「理論上はそうだが…」
    前例がない。いや、それよりも、
    いいのだろうか。私で。
    『俺が君の名前を呼んだら、リモートに切り替える。俺は右に避けるイメージをするから、そしたら君は左に避ければいい。』
    「相手は心を読めるんだろ?名前なんて呼んだらバレるだろ?」
    『そこは俺に考えがある、心配しなくていい。
    奴らを倒す為にはこれしかない。』
    「……」
    カガリは俯いた。
    それは一瞬でも、アスランの命をカガリが預かるという事だ。
    相手はブラックナイツ。
    もし上手くいかなければ…アスランは…
    『……カガリ』
    「…っ」
    俯いていた顔を上げ、画面越し目が合う。
    『…まだ、持ってるか…?…その…』
    アスランの目線少し下がった。
    その目線の意味を察して、顔が熱くなる。
    「ぇ…ぁ、うん…」
    無意識に手が動き、そこにあるものに触れた。
    『…見せて、くれないか』
    「な…っ!」
    (こ、こいつ…!)
    更に顔が熱くなる。
    見せるには前を寛げなければならない。
    ふと画面のアスランを見ると、
    じっ、と熱っぽい目で見られていた。
    「……」
    『……』
    何故か反論する気にはなれず、
    元々胸元にあった手をスカーフにかけ、
    解いた。
    そしてブラウスのボタンをプツリ、プツリと外し、
    紐を手繰り寄せ、
    指輪を外に出した。
    その間、一連の動作を刻み込むように熱い視線を送られる。

    見せたぞ、とこちらから視線を送ると
    今度はアスランの手が胸元へ行き、
    ネクタイを少し緩め、
    ボタンを一つだけ外し、
    シャツの中からハウメアの護り石を取り出す。
    その動作に目が外せず、ドクンドクンと心臓の音が響いた。
    なんだかいけない事をしている気分だ。

    『…一緒に、戦ってくれるか?』
    「…!」
    『カガリに俺の命を預けたい。ダメか?』
    ずるい。
    もっと適任がいるだろ、
    私はここを離れられない、
    の前に嬉しいが勝ってしまっていた。
    ヤキンの大戦以降、戦場に向かう背中を見送る事しか出来ないのをずっと歯痒く思っていた。
    本当は、一緒に戦いたい。
    しかし、自分の戦場は此処なのだと。
    皆んなが帰る場所を守らねばと。
    そう言い聞かせて国家元首として立っていた。
    元々カガリは突っ走るタイプなのだ。
    16歳頃の自分を思い出す。
    あの頃は無力な自分に泣いてばかりだった。
    ふふっと笑いが込み上げて、
    真っ直ぐ翠の瞳を見つめる。
    指輪を持ち上げ、ニッと笑った。

    「任せろ、誕生日祝ってもらわないとなっ」

    アスランは一瞬目を見開き、
    護り石を同じ様に掲げ、
    柔らかく微笑んだ。

    『あぁ、必ず。君の所に帰るよ』







    あとがきという名の独り言
    私の妄想にお付き合い下さり、
    ありがとうございます。
    あまり普段こういう風に妄想を消化しないので、読みづらい部分があったと思います。

    この後無事破廉恥と共にシュラを倒しレクイエムを破壊してオーブで双子の誕生日会をやるんですね。きっと。ハッピーハッピーハッピー
    書いていて思ったのはあの指輪が2人にとっての縛る物から絆の象徴に昇華されてたらいいなぁと。
    あと逃避行を読んでカガリは根っこの部分は変わってないんだな、あぁ、無印のカガリこんな感じだったなと思ったんで、じゃあこんな会話あったんじゃない?と妄想しました。
    途中湿っぽいのは、多分これがカガリにとっての破廉恥なんだろうなと思って入れました。いやー楽しかったー。
    アスランとカガリの破廉恥の度合いはきっと違うので、この世界線ではやはり婚前交渉してないんだろうなぁ…。
    そんなんゆうてもこちらはいくらでも妄想しますがね、わはは。
    ここまで読んでいただいてありがとうございました。
    また妄想が広がりましたら消化しに参ります。
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