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    mukuo1910

    @mukuo1910

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    mukuo1910

    DONE声変わりネタを書きたくて。春。
    大した内容も落ちもありません。ぽいぴく使ってみたかった!
    声変わり(ハナタイ)「なあ、なんで、俺のこと避けんの?」
    これは壁ドンだ、とハナビは思ったが、その“壁ドン”は決してロマンチックなものでもなんでもなく、むしろその逆だった。ハナビは朝からずっと苛々していた。自分と会話はおろか、目も合わせようとしないタイジュに。そんなハナビからの、ロマンチックとは程遠い“壁ドン”を受けたタイジュは、それでもなおハナビから目を逸らせ、何も声を発しない。至近距離にハナビの顔―恋人の顔―があるにも関わらず。
    「…俺、なんか、した?」
    ここまで避けられると、さすがのハナビも不安になる。タイジュの様子がおかしいのはいつからだっただろうか、と思い返してみたが、特に思い当たる出来事―事件―はなかった。ハナビの言葉に、タイジュはちら、と一瞬だけ視線を投げて寄越したが、すぐにまたその視線をあらぬ方へと向けてしまう。壁ドンが駄目、ならば…。ハナビは手をそっと伸ばすと、タイジュの顎を掴んだ。相変わらず弾力があって柔らかいな、と思いながら、握ったその手にぐいと力をこめ、半ば強引に自分の方へと顔を向かせる。
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