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    mukuo1910

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    mukuo1910

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    ハナタイ。帰したくない、と、帰りたくない、を言わせたかっただけ。ふんわりしています。どこ行くのかな??(すっとぼけ)
    不倫(!!)とかでもいいしずっと両片思いだった~とかでもいいですね。

    エスケイプ(ハナタイ)「帰したくねえよ…ッ!」
    運転席から少し身を乗り出したハナビの、切羽詰まった声。タイジュの右手を掴んできたその手は小さく震えていた。
    「帰したくない…」
    ただそれだけを繰り返すしかないハナビの気持ちは、タイジュには痛いほどよく分かった。その先へ踏み込めなかった長い年月。踏み込む勇気のなかった自分。今、ありったけの勇気を振り絞ってくれたであろうハナビの、その、今にも泣きだしそうな顔を見たら、決心しない訳にはいかなかった。
    「…自分だって…帰りたくねえです…っ!」
    一度開いた助手席の扉を、タイジュは勢いよく閉める。
    「帰さねえで、ハナビ、くん…」
    自分の右手を掴んでいたハナビの手をそっと外すと、タイジュはその手の甲に唇を寄せた。自分の出せる勇気なんて、このぐらいだった。タイジュ、と声を震わせたハナビが、運転席から大きく身を乗り出してタイジュを抱きしめてくる。
    「…行こう」
    ハナビはすぐに、タイジュの背中に回していた腕を離すと、ギアを入れた。それを見たタイジュは慌ててベルトを締めようとしたが、手が震えてしまってなかなかうまくいかない。焦るタイジュに気付いたハナビは再び、ギアを戻す。
    「…悪い」
    タイジュの手に自身の手を重ねたハナビが、カチン、とそのベルトをしっかりと締めた。触れられたその手も、自分と同じように、はっきりと分かるくらいに震えていて。
    「ちゃんと、安全運転で、行くから」
    どこへ、とは言わなかったが、分かっていた。だから、「連れていって」と答えた。
    ここではない、どこかに。攫って、連れ去って。ずっと好きだった貴方の手で、身体で。
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    Replies from the creator

    mukuo1910

    DONE声変わりネタを書きたくて。春。
    大した内容も落ちもありません。ぽいぴく使ってみたかった!
    声変わり(ハナタイ)「なあ、なんで、俺のこと避けんの?」
    これは壁ドンだ、とハナビは思ったが、その“壁ドン”は決してロマンチックなものでもなんでもなく、むしろその逆だった。ハナビは朝からずっと苛々していた。自分と会話はおろか、目も合わせようとしないタイジュに。そんなハナビからの、ロマンチックとは程遠い“壁ドン”を受けたタイジュは、それでもなおハナビから目を逸らせ、何も声を発しない。至近距離にハナビの顔―恋人の顔―があるにも関わらず。
    「…俺、なんか、した?」
    ここまで避けられると、さすがのハナビも不安になる。タイジュの様子がおかしいのはいつからだっただろうか、と思い返してみたが、特に思い当たる出来事―事件―はなかった。ハナビの言葉に、タイジュはちら、と一瞬だけ視線を投げて寄越したが、すぐにまたその視線をあらぬ方へと向けてしまう。壁ドンが駄目、ならば…。ハナビは手をそっと伸ばすと、タイジュの顎を掴んだ。相変わらず弾力があって柔らかいな、と思いながら、握ったその手にぐいと力をこめ、半ば強引に自分の方へと顔を向かせる。
    1935

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