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    Stilet

    @Candied04eBrain

    同人サークル「Candied Brain」の主/絵修行中のメンヘラポンコツタイプライター/フェイゾン教狂信者

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    Stilet

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    スマブラAlternativeプロローグその二の進捗ですから

    人形たちのデッドエンド_進捗 マスターとクレイジーが混沌の渦の中で光と闇を打ち払っている最中、解放軍たちも複製体と戦っていた。
     シモンの鞭が複製体を薙ぎ払い、ピットの矢とフォックスのレーザーが複製たちに降り注ぐ。クッパの爪が複製体を力強く切り裂き、クラウドのバスターソードが複製たちを斬り、道を拓く。
     それでも、それでも複製たちは際限なく解放軍に襲いかかってくる。前線で戦っていたソニックの頬を、複製の攻撃が掠める。それを、サムスのビームが防いだ。

    「Thanks, サムス!」
    「どうと言うことはないさ。それより、来るぞ!」

     サムスの声に、ソニックが再び構える。そうして、二人は襲い来る複製たちの対処に当たった。

    「とりゃー!」
    「それっ!!」

     別の方向ではカービィのハンマーが複製たちを吹き飛ばし、マリオが次々に複製たちを倒していた。マリオは額の汗を拭う暇も無く、次から次へと襲い来る複製体と戦っている。それを見たロイは、ぼくたちも頑張らなきゃ、と気を引き締めた。

    「はっ、せいっ!!」

     勇敢にかけ声をかけながら、剣舞を舞う様にロイは複製たちを撃破していく。その付近では、ダークサムスが複製たちを的確に一人、また一人と撃破していた。
     不意に、目映い光を感じて混沌の渦の方を見る。ロイが視線をそちらに向けると。

    「いやっふー!!」

     マスターとクレイジーが、光を放つ混沌の渦から戻ったところだった。
     そして、混沌の渦を中心として、空を覆う光と闇の雲に亀裂が入り――剥がれるようにして、世界は元の姿を取り戻した。それと同時に、解放軍が相手取っていた複製体たちも吹き飛ばされていく。
     雲が剥がれたあとにあったのは――黄昏とも黎明とも捉えることの出来る、橙色の光を放つ太陽とそれによって染まった橙色の空。眼下には薄い雲と、地上の光景が見えた。

    「皆、よく耐えてくれたね。光と闇は打ち払った。もう心配はいらないよ」
    「あっちも、これ以上増援は出来ないと思うなぁ。後はあいつらをぶちのめすだけだねぇ!」

     マスターとクレイジーの声が、解放軍の頭に響く。光と闇は、世界の創世者たる両の手によって打ち払われた。これで、キーラもダーズも複製体の増援を呼び出すことは出来なくなっただろう。クレイジーの声は、いつになくやる気に満ちている。そうだ。この戦いが終われば世界は取り戻される。ロイもそれを汲み取ったのか、こくり、とうなずいた。
     プリズム光の足場が、なおも争うキーラとダーズに向かって伸びる。いよいよ、真なる最終決戦の時だ。

    「皆、準備はいいね!?」
    「おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
    「キーラとダーズを倒して皆で美味しいご飯食べようね!」
    「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

     マリオとカービィの声を号令に、ファイターたちは雄叫びを上げる。そうして、解放軍はマリオとカービィを先頭に突き進んでいった。
     マスターの権能によるものだろうか。石造りの足場が、遙か彼方の空へと伸びていく。マリオはそれをしっかりと踏みしめ、カービィはふわふわと空を飛びながら進んでいく。マスターとクレイジーもしっかりと足場を踏みしめながら進んでいき、ロイもまた一歩一歩着実に進んでいった。パルテナはふわふわとした足取りながらもしっかりと進んでいる。ダークサムスは、ベヨネッタを護衛するように彼女の傍にくっつきながら先に進んでいた。
     石造りの足場を踏みしめ、進み征く解放軍。しかし、キーラとダーズも侵攻を易々と許すような相手ではない。解放軍の進路に、光と闇の複製体が現れる。光の複製体は真っ先に闇の複製体を狙い、闇の複製体は真っ先に光の複製体を狙った。それを、邪魔だと言うようにクレイジーのレーザーが薙ぎ払う。複製たちの狙いが、解放軍へと向いた。

    「そらっ! よっと!」
    「とりゃー!」
    「ウホーイ!」

     ピカチュウ族の少年――ノゾムは電撃を放ち、複製たちを倒していく。ヨッシーはタマゴを投げ、ドンキーは自慢のパワーで複製たちを次々にふっとばしていった。光と闇の複製たちは一掃され、道が開かれる。

    「おのれ……我が配下を打ち倒すか……!」

     低く掠れた女性の声が響く。恐らくこれは、ダーズの声だろう。見れば、足場を駆け上がり上って行くファイターたちの目の前にダーズの触手が伸びている――!!

    「わー!? 落ちるよー!?」
    「しっかりしてポポ! わたしの手を握って!!」
    「ジュニア! 危ないのだ!!」
    「わわーっ!?」

     ダーズの触手が、一部の足場を崩す。それに足を取られ、アイスクライマーのポポとクッパJr.――通称ジュニアが危うく落ちかける。ナナはポポの手を取り、クッパはジュニアの手を取って落ちぬように引き戻す。その隙を狙って、ダーズの更なる攻撃が襲い来る。

    「ぬんっ!!」
    「はあっ!!」

     しかしそれは、ミュウツー族の青年――ユウゲンとルカリオ族の青年――ハオンによって防がれた。あわや落ちかけるアイスクライマーの二人を念力が包み、石造りの足場にふわりと戻す。

    「ありがと、ユウさん!」
    「ありがとー!」
    「……礼ならば不要だ。それよりも、進むぞ」
    「ああ、これ以上奴らに好き勝手なぞさせないのだ!!」

     アイスクライマーの二人が、ユウゲンに対する感謝を口にする。それに、ユウゲンは進みゆく解放軍の背中を見つめ、合流するぞ、と呟く。ジュニアを肩に乗せながら、クッパは足音を響かせて解放軍に合流した。

    「ファルコン……パーンチ!!」

     先頭では、ファルコンとルイージ、ネスがダーズの攻撃を凌いでいた。そして今、ダーズのコアにファルコンパンチがクリティカルヒットした。

    「貴様……必ずやその四肢を砕き貫いてやる……!!」
    「あ、これはおとといきやがれって奴だね!」
    「兄さんも、皆も頑張ってる……だからボクも、退くわけにはいかないよ!」

     ダーズはそう吐き捨て、一時的に撤退していった。ここからは、キーラの勢力が強くなるだろう。ネスとルイージは互いを見つめ、そしてうなずきあった。
     やがて解放軍は、再び拓けた足場に出た。そこでは、光と闇の複製たちが争っている。

    「ギャハハハハハ!! 死ね死ね死ねぇえええええええ!!」
    「食らいやがれ! オレ様の全力ブリブリアターック!!」
    「ったく、リドリーもワリオも先走りすぎだ……ふんっ!!」

     争っていた複製たちは、リドリーとワリオの乱入とウルフの援護射撃によって形勢を崩し、そしてあっという間に殲滅されていった。複製たちの殲滅と同時に、足場が空へと伸びていく。背後ではダーズが体勢を立て直したのか、再びダーズの触手がキーラの翼と争っている。

    (皆頑張ってるなぁ……ぼくも、気を引き締めなきゃ)

     奮戦する解放軍の面々を見て、ロイは改めて気を、表情を引き締めた。それに気づいたのか、走りながらもパルテナがこちらを伺ってくる。

    「ロイさん? どうかしましたか?」
    「あ、いや……皆頑張ってるから、ぼくたちも頑張らないと、って思ったんです」
    「ふふっ、そうですね。勝って兜の緒を締めよ、ですから」

     思考の海から引き戻されたロイは一瞬戸惑いの表情を浮かべたが、進行方向に視線を戻し、頑張らないと、と答えた。それに、パルテナが笑顔で返答する。

    「……女神サマには負けてられないわね」
    「ああ」

     ベヨネッタとダークサムスも、顔を見合わせてそれだけの言葉を交わし、そして石造りの道を突き進んだ。
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