君の世界『第0層〜第2層』 彼の言葉の意味が、分からなかった。
頭の中が凍りついてしまって、思考が働かなくて。ただ彼の攻撃を阻むしかなかった。
何故彼が生きているのか。いや、それよりも『あの世で俺に詫び続けろ』とはどういう意味なのか、理解できなくて。私は、彼の攻撃を跳ね返すように、正面から剣を振るっていた。
剣の切先が彼に当たる。と同時に、彼の反撃技である魔法が発動した。漆黒の魔法球がこちらへ勢いよくぶつかる。鳩尾に当たり、胃の酸が食道へと上がる感覚が、ひどく気持ち悪い。
黒い魔法球はそのまま私を包み込み、闇へと呑み込んだ。魔法の名は『ブラックアビス』。暗い深淵へと誘う、彼の究極魔法。
「ここは……?」
彼──ストレイボウの魔法で暗闇に閉じ込められていた筈の私は、見慣れた景色にぽつんと立っていた。
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