「あっ、きみ」
仕事中、トイレを済ませて執務室に戻ろうというところで後ろから不意に呼ばれる。
振り返ると、そこには鶴丸さんの姿が。
「はい…」
鶴丸さんは隣の部署のSVだ。私の上司である大和守さんとSV同士ということもあってか、よく話しかけに来ては談笑しているのを見かける。
が、私は話したことがない。突然何の用だろうか。
「きみ、安定のとこの子だよな」
「はい」
認知されてる。少し驚き。
「ちょっといいかい?」
ちょいちょい、と手招きをしながら踵を返すので、その後ろ姿を見つめながらついていくことに…。
ふわふわの白い髪、男性なのにどう見ても私以上に細い腰。白い肌。
羨ましい…と思いながらやって来たのは、自販機が並ぶスペースだ。
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