君の世界『第3層-2』 「君も……ストレイボウ、なんだよな?」
「そうだよ。見ればわかるだろ」
目の前のストレイボウは、いつもは私より少し背が低いのに、背が高くて、ローブではなく暗い色のシャツとズボンを履いていた。相変わらず、すらっとした体型をしている。
彼の姿を見て、何となくだが、この世界の事が理解できてきた。
世界自体が、何層にも分かれていて、深淵に繋がる洞窟のように下に降りるしか道はない。そして、その層ごとに様々な姿や性格をしたストレイボウがいるようだ。
だが、下に行けば行くほど、現実世界のストレイボウとはかけ離れていく。特に性格が。
「ちょっと静かにしててくれないか、今数式を解いてる」
ストレイボウはそう言って、再び机に向うと羊皮紙に羽根ペンを走らせている。
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