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    けんぴっぴ倉庫

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    けんぴっぴ倉庫

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    庭師げんみ❌
    飛行機でなぜかイエスマンしか観れない事故が発生したためできた息抜きの息抜きのようなもの。
    モブ視点。
    ネット環境が無いとこで書いたのでスギさんの漢字が違うのは許してください。

    ゼロシュガーゼロライフ「まぁた零課様かよ!」
    俺の直属の先輩、間歩(もぶ)刑事は薄っぺらい書類の束をバンっ!と机に叩きつけた。
    飛び交う内線と話し声、朝から人が入ったり出たりと忙しないここは、警視庁捜査一課の一室。俺の職場。
    「法、規則、序列、秩序、均衡!そういうものを守るのが俺たちだってのに、その警察がそれすっ飛ばして自由にやってちゃ示しがつかねえってもんだろ?!…いいか?お前はああいうのになるんじゃねえぞ。例えお上からの指示であってもだ!」
    「はあ…」
    警視庁特殊犯罪捜査零課。通称ゼロ。その名の通り、所謂一般的でない特殊な犯罪?の捜査に当たるべく結成された、超少人数のエリート集団。同じ警視庁で働いていながら、いまいち何をやっているのか良く分からない、正直存在すら噂だと言われても不思議っぽくはない部署。それでもこうして度々書類上で名前を見ては、ほんとに存在するんだ…ってのを僕ら"一般職員"は確認させられている。そんで今日も。

    先輩のゼロ嫌いは今に始まったことじゃない。細々した煩雑な組織間のやりとりや上下関係に厳しいこの世界で泥水啜りながらのし上がってきた(本人談)先輩にとって、それを全部フルシカトして縦横無尽に捜査できる特別権限とやらにずっと納得がいかないのだ。まあ、もちろん気持ちはわからなくもない。
    「あ〜、コーヒー買ってきますけど先輩も入ります?」
    「とびきり苦いのをくれ」
    「ほーい」
    「返事ははいだ、はい」
    「へーい」
    後ろでぶつくさ言ってるが、ゼロネタが上がった後は暫くこうだからそっとしておくに限る。さっさと廊下の自販機へGO。

    「"ゼロシュガー"。皮肉っぽくない?」
    先輩のブラック缶に踊る文字を眺めて思わず口をついた。
    ゼロ、ゼロ、ゼロね。
    俺は何度か廊下ですれ違ったことがある。でっかいのと猫背とメガネ。あとメガネ。あれで全員?少なすぎる。アベンジャーズかよ。
    「……は〜ぁ、イイナァ」
    先輩には口が裂けても言えないけど、俺は実は、そこそこ、いや、結構零課に憧れてる。だってかっこよくない?マジのアベンジャーズじゃん。選ばれし精鋭集団。特別権限。最年少なんか、俺より年下だろ?漫画かよ。ほんと。
    ガコンと落ちてきた自分の分のシュガーがゼロじゃない方を取り出し、プルタブを引いた。

    プシュ!
    ドゴン!!!!!!!!!!!!!

    「おあっほ!?え?!へっ?!!???」
    一つか二つ上の階から、鈍い、でもデカい爆発音みたいなのが響いた。
    え?俺のせい?新しいパワー目覚めた???

    「ンダア?!どうした?!!」
    一課からは先輩の無駄にデカいドス声が聞こえてくる。え?マジで俺、やっちゃいました…?

    ほわんほわんほわん。
    「来るな!!人質がどうなったっていいのか?!」
    犯人が銃口を、もう片方の腕で締め上げた人質のこめかみに当てている。かわいそうに震える人質。
    そこに一人の男が土埃から現れる。
    「はあ。そんなことして、悲しくならないんか?もっと人生良く考えろよ」
    男、俺、は黒のロングコートを翻し、指をパチン。
    「ぐあああああ!」
    爆発する犯人!解放される人質!颯爽と受け止める俺!
    ぱちぱちぱち…。
    「君の才能は目を見張るものがあるよ。どうだい?君も零課で、共に世界を救わないか?」
    「あんたは…、杉下右桃」
    拍手をしながら現れた男に誘われるまま、俺はこの能力を存分に活かせる組織への加入を決める。チーフのバックには、俺に熱い視線を向ける三人…。


    ピーンポーンパーンポーン↑♪

    『え〜警視庁舎の皆皆様、お騒がせして申し訳ございません。只今18階にて大きな機材が転倒する事故がございました。これによる人的被害はございません。ご心配おかけしました。はい、では、職務にお戻りくださいませ』

    ピーンポーンパーンポーン↓♪

    妙に澄んだ男の署内放送(こんなのあるんだ)。この人はこれでみんなが落ち着くとほんとに思っているのか…?案の定、先輩はボスゴリラの如くウホウホなんか喚いている。
    「零課ー!!!!」
    ちぇ、どうせゼロだよ。俺の特殊能力妄想返してくれ。







    「なーんで令和七年にもなって紙で提出しなけりゃならないんですかね」
    騒動は騒動にならなかった。なんでだろ。これも特殊権限ってやつ?あの後ボスゴリラが上階に突っ込んで行って、何故かクソ甘い匂いのするコーヒーを片手にしおらしい顔して帰ってきた。俺の今年の初笑い先輩の顔かよ。
    めんどくさい物理提出に文句はあるが、(これでも俺は忙しいんだ。一応エリートだし)件の上階を覗きに行けるのはベリーグッドタイミングだと言わざるを得ない。ツイてるぜ。

    ちらっ。曲がり角から廊下を覗く。パッと見は変わったところは無し。あれ?拍子抜け。
    誰もいない廊下を進み、ゼロのオフィスらしい部屋の前をわざとらしくない感じで通りがかる。俺、用事があって歩いてますよー。
    ちらっ。お、ドアが開いて……

    デカい男が、
    土下座をしている………。

    その前で、
    猫背の男が、
    仁王立ちしている………。


    ………。
    ………………。
    ……………………。
    ………………………………?




    「おう…、書類、出してき…なんで持って帰って来てんだ?」
    「先輩、蛙化現象って、知ってます?」




    おわり!
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