それが君への第一声「おはようございます。」
「…は?」
目を覚まして真っ先に映ったのがいつもの自室の天井じゃないことや、背中や頭にある感触が普段のベッドのそれとは違っていることよりも、何よりも、その一言に全ての意識を持っていかれてリアスは寝起きの若干掠れた声を素っ頓狂に引き上げた。
目の前にはエメラルドの瞳。ぱちぱち瞬きするたびに僅かに緑がかった光を反射する黒い睫毛に縁取られた宝石はあいもかわらず恨めしいほど綺麗で、というか、本当に。
「……なんでこんなことなってんの?」
リアスは困惑した。目の前のミスタの友人の別人格、光ノに、おそらくこの距離感的に膝枕でもされているだろうことはわかる。けれどそれ以外いっさいわからない。そもそもなんで膝枕なんかされているのか。なんで、自分は呼び出されたのか。
8616