氷菓子と昔話ギラギラと太陽が崩壊したビルや建物を照らしている快晴の夏。人間たちがいる世界では7月に入った初夏のいう頃だろうか。
木々に登る虫たちがほぼ絶滅したこの世界では蝉という生き物も存在しない。そんな中拠点であるビルのガラスを通し熱に当たる俺たちは冷たい物を求め廊下に並ぶ販売機に手を伸ばした。
この世界には食というものはまだ現在だった。作る人は少なくなってしまったが、この会社には昔俺が各国で見てきた食事が全てこの大きく四角い機械の中で作られるのだ。自動という言葉は本当に凄い。
いや、そんなことより、今は食事よりも涼むことを優先した方がいいかもしれない。こんな暑さじゃ食欲なんてとても湧かないからな。
「今日も暑いな…」
1964