小さい時に出会った君は、体が弱い俺の手を取って、一緒にバスケをした。いつも笑顔で俺を迎えに来て、お決まりのコートまで手を繋いで。俺を日陰に座らせて一人でシュートをしたり、俺を誘って少しだけバスケをしたり、二人で座ってお喋りしたり。俺と違って元気な体で走り回る君の姿は羨ましくて、それと同時に、いつも全力で楽しむ姿が大好きだった。あの時の思い出がなかったら、今の俺はここにはいない。
えいじくん、今日もかっこいい。
小さな俺が心の中でいつものように叫んでる。小さい時にバスケを教えてくれた神は、今日も俺の目の前で神的なプレーを見せてくれた。
「深津さん、さっきの見てくれました?」
「ピョン」
神は、俺より一つ下。本当は俺の方がこうやって聞きたい立場なのに。できれば年上、もしくは同学年で会いたかった。それなら俺が可愛がってもらえてた。俺が一つ上なだけで、いつも強引に俺を引っ張ってくれていた手が、今は姿を現すことはない。
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