つなぐ日常「魈、お前から見て俺は……ちゃんとした凡人に見えているだろうか?」
「えっ、えぇ……と……? ですね……」
望舒旅館の露台にて、鍾離と共に茶を飲んでいる。いつもの風景だ……と言えるくらいには鍾離はここへ訪れている。しかし今日の鍾離はなぜか、ものすごく気落ちされている。茶を飲んだ後、これでもかという程に深い息を吐いている。このような鍾離を見かけることはあまりない。その訳は、おおよそ今聞かれたことに起因しているのだろうなということまでは、魈は理解できていた。
「我からすれば……鍾離様は凡人の生活に溶け込んでおられると思うのですが」
「そうだな。俺もそのつもりだったのだが……どうやら俺は、女性に好意を持たれないタイプのようなんだ」
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