ただのシスコンセウ=シェーン・・・赤髪、片ツノで魔界No.3の悪魔。シスコン気味。
シエロ=シェーン・・・セウの年の離れた妹。とてつもなく可愛い。
グロム=エルマーノ・・・銀髪、黄色眼で魔界No.2(魔王の側近)の悪魔。セウの相談に巻き込まれた。可哀想。
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「シエロが最近僕に対して素っ気ないんだ!!」
ある日の昼下がり、セウは城の食堂で今にも泣きそうな勢いでグロムに悩みを打ち明けていた
「はぁ、そんなことですか。相談があるって仰るので心配しましたよ。」
「そんなことではない!お前も妹がいるなら分かるだろ!?」
「分かりませんね。ついにシスコンを拗らせましたか。」
「僕はシスコンではない…ただちょっとシエロが心配なだけで…」
「で?何がそんなに心配なんですか?」
「少し前にシエロが買い物に行くと言うので、久しぶりに僕も一緒に行くと言ったら…」
「「お兄ちゃんはついて来ないで!」って…」
「はぁ。」
「それに一昨日は、一緒に寝ようとしたら…」
「「私まだやることあるから、お兄ちゃんは一人で寝てて」と…」
「え?一緒に寝てるんですか?」
「妹はまだ初等部だ!」
「うーん、それって反抗期じゃないですか?私の妹や弟はみんな反抗期来ましたよ。」
「くっ、ついに来てしまったというのか…しかし、兄にまで反抗するとは…泣きそうだ。」
「やっぱりシスコンじゃないですか。」
「とてつもなく心が痛いが、兄として受け入れるしかあるまい…」
「子供には子供の事情があるんですよ。そのうち収まりますから。それまでの辛抱です。」
「そうか…」
その日のセウは他の者から見ても元気がなくなっていた
(今日は何故か早々に帰らされた…かといって今シエロと二人きりになるのも気まづい…だが僕は兄として受け止めると腹を括った…!)
「し、シエロ、今帰ったぞ!」
「あ、おかえりお兄ちゃん!早かったね!ちょうど作り終わったとこなの!早くこっち来て!」
「!?」
反抗期のはずのシエロは上機嫌でセウの手を引く
「ちょ、ちょっと待て、作ったって何を…」
「え?ケーキだよ?だって今日お兄ちゃんお誕生日でしょ!」
部屋のテーブルには不格好なバースデーケーキが置いてあった
「これ…お前が作ったのか…?」
「そうだよ!買い物もシエロひとりでしたし、夜も起きて練習してたんだから!」
(そういうことだったのか…)
「嬉しくなかった?」
「〜〜〜っ!嬉しいに決まっているだろう!!!」
「わぁ!苦しいよ!」
セウは思い切りシエロを抱きしめた
「お誕生日おめでとう!お兄ちゃん!」
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ー城の食堂ー
「ということだった。妹、マジ天使(悪魔)」
「相談に乗った私が馬鹿でした。」