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    たちはる(または、りっしゅん)

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    POIPOI 15

    体調不良な💚君 💙君が看病します。 💙💚です。また一人称僕になってる💚君。そして、朝起きたら俺になってる。

    寂しさと優しさちゅんちゅん…。
    小鳥のさえずりが目覚ましのように聞こえて、目を覚ます。
    あまり良い目覚めだとは言えない。まずは朝食を食べようとベッドから降り、立ち上がる。
    ふらっ…
    体が少しふらついた。壁に手を付け何とか耐えたから、倒れることはなかった。
    ガチャッと自分の部屋の扉を開けて、廊下を歩く。と、そこにちょうど同居人兼ね恋人のトムがいた。
    「あ、トムおはよう…。」「おう、おはよう。」
    二人で朝のあいさつを交わす。
    「あれ…?マットはいないの?」「あぁ。なんか夜になったら帰ってくるってよ。」
    「そっか…。」
    そう言ってトムの横を通り過ぎようとしたら、
    ふらっ…
    「あっ…。」「エッド⁈」
    また体がふらついた。今度は何の支えもなかったから床に倒れこむ。


    …と思ったが、倒れることはなかった。その代わりにトムの顔が目の前に見えた。
    どうやらトムに支えられているようだ。
    「…とむ…。」
    「大丈夫か?お前。てか、熱すぎだろ。お前熱あるよ。」
    「へ…?言われてみればそうかも…。」
    「はぁ…。お前の部屋連れてって看病してやるから。大人しくしてろよ。」
    その言葉と同時に、ひょいっと持ち上げられる感覚がする。
    「へっ…?」
    (トムにお姫様抱っこされてる…⁈)
    「えっ、あ、ちょっと…!」
    「大人しくしてろって言っただろ?」
    (だってなんで僕よりも小さいトムが僕のこと持ち上げられるの…)
    「恋人舐めんな。」
    僕の思ったことを読み取ったかのように言うトム。
    僕があたふたしているうちに部屋についたようで。そして、僕を優しく下ろし、横にして寝かせた。
    「ありがと…//とむ。」
    「ん。一応熱測るぞ。ほれ。自分でできるか?」
    「うん…。」
    自分で脇に体温計を挟む。
    仰向けになって、天井をぼーっとしながら見ていた。
    ピピピッと機械音が鳴る。トムに体温計を渡す。
    「38.5℃か…。高いな…。昨日何かしたのか?」
    「えーっと…家に帰ろうと思ったら、雨降ってきて、傘持ってなかったから、そのまま走って帰ってきた…。」
    「はぁ…。お前、いい加減大人だろ?傘くらいしっかりと持ってけよ。」
    「天気予報見てなかった…。」
    「まぁ、仕方ない。俺、タオル持ってくるから待ってろ。」
    と、トムが立ち上がって僕の部屋を出て行った。
    トムが部屋を出るとき、寂しくなってトムを引き留めようと思ったが、ちゃんと戻ってきてくれるだろうと信じて、引き留めるのは、やめておいた。
    頭がぼーっとする。早く戻ってきてほしいな…。体調崩すの久しぶりだな…。結構つらいな。
    そんなことを考えていたらガチャッとドアが開き、トムが水の入った桶と、大きなタオルと小さなタオル、、着替えを持ってきてくれた。
    自分もちょうど汗をかいていて、不快だったのでちょうどよかった。
    「身体自分で拭けるか?」トムが大きいタオルを水に浸し、絞りながらそう聞いてくる。
    僕は、ふるふると首を横に振った。
    今の状態じゃ上手く拭けないだろうし、トムに拭いて欲しかったからっていうのもある。
    「…分かった。拭いてやるからパジャマ脱げ。」
    「うん…。」
    ぱさっぷちぷちっ
    部屋に僕の服を脱ぐ音が響く。
    上半身も下半身も脱ぎ終わった。下着は着たままだ。
    「遅くなってごめん…。終わったよ。」
    「お、おう。(こいつ何の警戒心もねぇのかよ…。)じゃあ拭いていくからな。」
    ひやり、と肌にタオルをあてられて、優しく拭かれる感覚がする。
    「ふぅ…。きもちぃ…。」
    暑さが拭い取られる。その感覚が気持ち良い。気持ちの良い感覚に浸っていたら、トムに「下半身拭くから足伸ばせ。」と、言われたから、その指示に従った。
    下半身も拭かれて身体の熱さがスーッと抜けるような感覚になる。
    足の裏とか指の間も念入りに拭かれてちょっとだけこちょばしいな。
    そんなことを思っていたら、拭き終わったようでトムが、
    「拭き終わったぞ。」と言った。
    「ありがとう…。」僕はお礼を言った。
    やっぱり、体を拭いただけじゃ体の熱はなくならないけど、さっきより少しだけましになった。
    「ほら。着替えろ。」トムが持ってきてくれたパジャマを着る。
    「着替え終わったか?」「うん。」「じゃあ横になれ。」
    言われるがままに横になる。そしたらおでこにひんやりとした小さなタオルが乗せられた。
    「んっ…。つめた。」「大丈夫か?」
    「うん。…ありがとね、とむ。」
    「おうよ。あ、そろそろ昼の時間だな。お粥作ってくる。」
    「うん…。ねぇ。」トムのパーカーの裾をちょっとだけ掴む。
    「ん?どうした?」そう言いながらまた僕に近づく。
    「…なるべく早く戻ってきてね…。」少しでも安心感が欲しくて、そんなことを聞く。
    「なんだ?寂しいのか?大丈夫だぞ。すぐ戻ってくるぞ。」そう言いながら頭をなでられた。トムの撫でる手の心地が良く、目をつむる。
    「わかった…。待ってる。」トムを困らせたくないし。と思った。
    「ん。待ってろよ。」そう言って優しく微笑んだ。僕はこくり、とうなずいた。
    トムが立ち上がり、背を向ける。
    「…。」僕は黙って少しずつ離れていくトム背中を見つめていた。
    ガチャン…。と扉の音が響く。
    「…一人ってこんなに寂しかったっけ…。」
    小さく嘆いたこの言葉は誰にも届かずに消えるだけだった。
    トムを待っている間、何をしようか。そんなことを思っていたら、いつの間にか部屋にリンゴが入ったらしく、僕のベッドに乗り、「にゃお。」と、可愛らしく鳴いた。
    「ふふっ、来てくれたのか…?ごめんな…。いま、少し体調が悪いんだ…。ご飯はとむがくれるからな。」
    「にゃ~お。」ゴロゴロとのどを鳴らしながら返事をするリンゴは、僕に早く治してね。とでもいうかのような鳴き声を出した。







    「エッド、心配だな…。あいつただでさえまともに体調管理できないのに、一人だったら死んじまうんじゃないか。」
    エッドのための昼食(お粥)とリンゴの昼食を用意しながらそんなことを嘆く。
    (…なるべく早く戻ってきてね…。)と言われたとき、エッドは悲しそうな顔をしていた。だから早く戻らなきゃエッドに寂しい思いをさせてしまうを思い、急いで、それでも丁寧に作る。エッドは意外と猫舌だから、熱すぎないように温める。
    「…よし、こんなもんかな。」
    味見もしっかりしたし、我ながらおいしくできたと思う。そして、スプーンと一緒にお盆にのせる。
    先にリンゴにご飯あげるか…。そう思い、周りを見渡してもいなかった。多分エッドの部屋にでも行ったのだろう。ついでにリンゴのご飯も持って行こうとお盆に乗せた。
    (多分ノックしなくても大丈夫だよな…。起きてるだろうし。)
    ガチャッと扉を開けた。案の定エッドは起きていた。そして、リンゴもエッドの近くに座り、ゴロゴロとのどを鳴らしていた。
    俺はほっとした。






    ガチャッ
    扉の開く音がした。そこを見るとトムがお盆を持って立っていた。
    「どうだ?大丈夫そうか?」僕に近づきながら、心配そうに聞く。
    「うん。リンゴがいてくれたからね。」
    「にゃお!」と、自慢げにリンゴが鳴く。
    「そうか。」ふっと笑うトム。やっぱりかっこいい…//なんて思う。
    「よいしょ…。」そう言いながら体を起き上がらせる。
    それと同時にぴょんっとリンゴがベッドから飛び降りる。
    「ほい。リンゴ。」「みゃう!」カリカリと美味しそうに餌を食べる音が聞こえる。それを見ているだけで癒される。
    「ふふっ…!」思わず微笑む。「美味しそうに食べるな。」トムも共感してくれた。
    「あ。自分で食べるのつらいだろ?俺があーんしてやる。」
    「えっ…!」突然そんなことをいうものだからびっくりして思わず声を出す。
    そんなことも構わずに、ホカホカと湯気の出てるおいしそうなお粥をふーふーと冷ますトム。
    「ほら。口開けろ。」と、僕の口の前にお粥の乗った木のスプーンを差し出す。
    「う、あ、うぅ…//」どうしても恥ずかしくて、口を開けられない。その様子を見たトムが「どうした?食欲ないのか?」と、心配そうに聞いてくる。
    「ち、ちがう。」僕は迷わず否定した。トムが頑張って作ってくれたご飯を食べたくないなんて言うわけない。
    「じゃあ、食え。ご飯食べなきゃ悪化するぞ。」そう言われて、確かに、またトムに心配かけるのも嫌だし、早く治さなきゃと思い、恥ずかしいけれど
    「うん…。」と了承した。
    「はい。」「あ~…。」ぱくっと口に含む。もぐもぐとゆっくり味わう。
    「ん…!おいしい…!」
    とても温かくて、それでも熱すぎなくて、すごくおいしい。
    それを見て、トムが「良かった。」と、嬉しそうに言う。
    僕が飲み込んだのを確認すると、トムはまた「はい。」と言いながら僕の口にお粥を近づけてくれる。
    そして、また僕がそのお粥を口に含む。
    それを何回か繰り返しているうちに食べ終わったようで、
    「すごくおいしかった…。ごちそうさま…!」
    「おうよ。」リンゴはもうとっくのとうにご飯を食べ終わったらしく、丸まって寝ている。その近くにある餌を入れるお皿を、トムが取ってさっきと同じようにお盆に乗せた。
    「ほら、食べ終わったなら体、寝なきゃだろ。横になれ。タオルも変えてやるから。」
    「うん…。ありがとう。とむ…。とむのおかげでだいぶ熱収まったかも…。」
    「一応、熱測るか。」
    そう言われて、また脇に体温計を挟む。
    待っている間に、またひんやりとしたタオルをおでこに乗せられる。
    ピピピッと音が鳴る。そして、体温計を取り出す。
    「37.4℃か。まだ少し高いけどだいぶ下がったな。」
    「うん…。とむが僕のことしっかり看病してくれたからだよ…。ありがとう…。」
    「どういたしまして。どうだ?寝れそうか?」
    「うん…。でも、」「?」
    無茶なお願いかもしれないけど、聞いてみる。
    「僕が寝るまで…隣にいてほしい…。」トムは、少し目を見開き、その後
    「分かったぞ。」と言って僕の頭をまた、優しくなでた。
    「へへ…。ありがとう…。」
    ふと、自分の手の上にふわりと何かが重なる。トムの手だ。
    「…とむ…?」
    「手をつないでいた方が、お前も安心するだろ?」ぎゅっとトムに手を握られる。
    「うん…。」
    段々と、安心感と心地よさに眠たくなってくる。
    「エッド。寝ていいぞ。」
    その言葉に甘えて、僕は目を閉じた。そして、深い眠りに落ちていった。




    すう、すう、と小さく寝息を立てるエッド。可愛い寝顔をしている。
    「大丈夫だぞ。俺がいるからな。」
    そう言って、エッドのおでこにキスを落とした。
    明日はしっかりと治ってるといいな。







    ちゅん、ちゅん、
    「んっ…。」パチッと目が覚める。外は明るい。どうやら夜も通り越してずっと寝ていたようだ。
    手に何かが乗っかっている感覚がして、隣を見ると、トムが寝ていた。
    疲れて寝ちゃったんだなぁ…。申し訳ないな。と、思う。
    ずっとこの寝顔を眺めていたいな。そんなことを思っていたら、どたどたと走る音が聞こえ、
    「エッドー!トムー!」
    と、俺たちの名前を大きな声で、マットが呼び、俺の部屋のドアをバーン!と開ける。
    その声と音に、目を覚ましたトムが、
    「なんだよ…。」と、不機嫌そうに言う。
    「良いものがあるから僕の部屋に来てー!待ってるからー!」それだけを伝えると、風のように去るマット。
    「…。朝からうるせえな。マットは。」と、不満を漏らすトム。
    「あはは…。元気なのはいいことだよ。」
    「そういや体調はどうだ?」
    「すっかり良くなったよ!ありがとう!トム!」
    そういって俺はトムの頬にキスをする。
    「……?」
    トムが固まっている。普段俺からすることが少ないからかな。
    「ふふっ、先行ってるからね!」
    そう言って元気よくベッドから降り、自分の部屋を出る。





    「はぁ~…。頬にキスとか…。いつもしないくせに…!」
    一人、エッドの部屋に残されたトムは悶えていた。
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