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    fuuka_615

    @fuuka_615

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    書きかけ小説〜6月中にはあげたいです_(:3」∠)_

    とあるショッピングセンターの中にある人気のアイス屋の前には、一つの行列ができていて、その行列にリムは大きなバッグを肩から掛け、並んでいた。

    「列の人達を数えてみたけど…これならなんとか買えそう…よかった…」

    リムは、最近新登場したフレーバー、『スノーホワイトチョコミルクバニラ味』を求めてこのアイス屋にきていた。「サラサラ、ふわっとした食感!口の中で溶ける様子はまるで雪解け!」をフレーズとして販売したこのアイスは太陽肥大化によって年中夏気候となり、雪の降らなくなってしまったこの世界に大きな反響を生み、雪というのは一体どう言った物なのか興味をそそられた人達がアイス屋へと足を運び、毎日のように行列を生み出している。
    リムもその中の1体で、CMでこのアイスの存在を知った時に食べたくなり、こうして冷凍庫内蔵の大きくて重いバッグを抱えながら列に並んでいたのであった。

    (人気のフレーバーだからお一人様2個までって制限があるからフランとハイドには同じものを買って行けないけど、違う味のを買っていこう…!持ち歩き様冷凍庫持ってきてよかった…フランはストロベリー味で、ハイドには…オレンジ味…かな?)

    同じユニットの仲間であるフランとハイドに何味を買おうか考えているリム。そんなリムは、自分の元に近づいてくる人影に気付けないでいた。

    「あのぉ〜…すみません」
    「ひゃっ!?」

    いきなり声をかけられ、思わず特殊能力を使ってしまいそうになったが何とか我慢する。

    「あぁ驚かせてしまってすみません!」
    「い、いえ…大丈夫…です…あの、僕に何か…?」
    「あ、はい!俺、ここのアイスを買いに来たのですが、実はこの後用事があり少し急いでまして!よかったらあなたの前に並ばせてもらえないかなーと!」
    「え?え、えっと…」

    男の急な要望にリムは困惑する。
    すぐに返事を出せないでいるリムを待たず、「いやーすみません!ありがとうございます!」などと笑顔で頭を下げ、半ば強引に男は前へと並ぶ。

    (ど、どうしよう…。本当に急いでいるなら大変だよね…でも、僕の後ろにも沢山の人が並んでいるし…フランやハイドなら、こういう時ちゃんと後ろに並んでくださいって言うよね…うん…!)
    「あ、あの…!」

    勇気を出して男へ声をかけると、男は先程の笑顔などどこにも無く、眉間に皺を作りあからさまに不機嫌そうな顔を浮かべて振り返る。

    「……何ですか?」
    「え、あ、あの…えっと…その……」
    「……はぁ…早くしてもらえる?用がなければ話しかけないでほしいんだけど」

    威圧的な態度を取られて萎縮してしまったリムは、頭では言わなきゃと思っているのに口から言葉が出なくなってしまう。
    その様子のリムに男が痺れを切らして口を開いた瞬間、それを遮るように横から大声が聞こえてきた。

    「邪魔だから順番守って後ろに並べって言ってんだよ!この割り込み野郎!」

    男とリムは声がする方を振り向く。そこには躑躅色の髪の青年、リムと同じくアンドロイドのロージーが立っていた。
    いきなり出てきたロージーに向かって男が叫ぶ。

    「な、なんだいきなり…!お前には関係ないだろ!それに、ちゃんと前に並んでいいか聞いたぞ!」
    「一部始終見てたがな、そいつがいつ"いい"なんて言ったかよ?言ってねェのに勝手に並んでいただろうが!」
    「そ、それは…」

    男が言い淀んでるところに畳み掛けるようにロージーは詰め寄る。

    「こいつだったら何も言わねェって思ったのか?そういうのが一番ムカつくんだよ!グダグダ言ってねェでとっとと後ろに並びやがれ!!」
    「ひぃ!!す、すみませんでしたー!!」

    ロージーの剣幕に圧倒され、男は一目散に逃げていった。
    リムもいきなりの事で電子頭脳の処理能力が追いつかず、口を開けていたのだがようやく処理が追いつきハッと意識が戻る。

    (ロージーさんすごい剣幕だった…もう男の人の姿見えなくなっちゃった…すごい……あ、いや感心している場合じゃない…!お礼、言わないと…!)「あ、あの!ロージーさ…」
    「あーーーーーーーー!?」
    「ひゃぁ!」

    話しかけようとした瞬間にロージーが大きな声を出したのでリムはまた特殊能力が発動しそうになったが、これもなんとか我慢する。

    「もうこんな時間じゃねェか!早くキオから頼まれてる買い物済ませねェとアニキとの集合時間に遅れちまう!!」

    そう言いながらロージーは光の速さで走り出し、すぐに見えなくなってしまった。

    (い、行っちゃった……お礼…結局言えなかった…)

    お礼を言えなかった事に少し落ち込んでしまったが、ふと、ある事に気付いてリムは顔を上げる。

    「あ!そうだ…!」
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