もし、アタシが…「ねぇ、ひとつ聞いていい?」
「なんですか?」
「…アタシが死んだらどうする?」
─占拠前日
酔いも程々に、常陸は普段飲まない種類の酒を瓶で呷る
雄吾の情熱的なスピーチを聞き、みんなの士気も高まり、全体的に良い雰囲気が漂っていた
「…どう、このお酒美味しい?」と雄吾が話しかけてきた
「美味しいです…普段、こう言った酒は飲まないんですが……」
「あら、ほんと〜?じゃあ、これが終わって落ち着いたら、うちの店に来てよ……たっぷり、サービスしてあげるから!」
完全にできあがってる雄吾のテンションは、かなり高く、常陸の肩はバシバシと叩かれていた
「痛っ…痛いですって」
「ごーめんごめん。ついつい、楽しっくてぇ」
「……かなり、酔ってますね」
「んー…そうでもないわよ?お酒は強い方だからぁ〜」
「そ、そう……ですか」
「あ、信じてないでしょ〜」
「いえいえ……そんなことは」
「…ふーん。まぁ、いいけどさぁ」
雄吾は持っている酒をもう一口呷ると、真剣な眼差しで常陸を見つめる
「ねぇ、ひとつ聞いていい?」
「なんですか?」
「…アタシが死んだらどうする?」
「え?」
「だーかーら!アタシが死んだらどうする?」
「なぜ、そんなことを?」
「質問を質問で返さないでよ〜、こっちは結構真剣なんだから」
「えーっと…そうですね」
「で、どうなの?」
「正直、あまり考えたくないですね。」
「えー…」
「だって…悲しいじゃないですか……せっかく、仲間になった人が目の前で死ぬだなんて…」
「もう、そんな顔しないでよ!ほんとに死んじゃう訳じゃないんだから!…大丈夫、アタシ達は、絶対に生きて計画を達成するの!何があろうとも!」
「…はい」