クリームソーダのせいにして「……飽きた」
部屋の中に、ぽつりと呟きが落ちた。持っていたシャーペンもぽいっと軽く放り投げる。テーブルの上には書きかけのノートと参考書が散らばっていたが、もうおしまいと片付けるのも億劫だった。
休日、一緒に勉強でもしようと誘いかけ、幼馴染を自室に招いたのは魏無羨の方からだった。退屈な課題も気の乗らない受験勉強も、分かち合う相手がいれば少しは実のある時間になるだろうと思ってのことだ。が、結果として魏無羨は一時間足らずで早々に飽きた。
課題は終わったし、そもそも必死に勉強しなければならないほど出来の悪い頭でもない。それは向かい合わせに座っている幼馴染──藍忘機も同じはず。ならばせっかくの休日、もっと有意義な時間を過ごした方がいいのでは? そう思いながら、じっと藍忘機を見つめてみたのだが。
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