Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    funyu0220

    @funyu0220

    はじぐ♀を書くオタクの社畜。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🍜 🍵
    POIPOI 8

    funyu0220

    ☆quiet follow

    お題の話。はじぐ♀で「頼むから…俺から離れてくれるな、ずっと、そばに居ろ」と言うだった気がする。
    チャンハジ→ぐだ子ちゃんと言う図式。
    鯖ぐだでえっちは無しです。珍しい。

    Etoile Polaire silencieusement brillante「みんなまだ来ないねぇ……」
     斎藤一は静かな夜の森の中でぽつりと呟いた。
     彼は現在一人ではなく、マスターである藤丸立香と一緒にいる。立香は木にもたれて座る斎藤の膝を枕にし、彼の着ているスーツの上着を体に掛けて静かに眠っている。
     本来ならこの場所には何人かのサーヴァントと共にいるはずだったけれど、何故かレイシフト時にはぐれてしまった。
     幸いお互いのいる場所は把握できたので、はぐれた仲間は立香のいる場所に来る事になっている。
     仲間と合流できるのは後一時間ほど。斎藤はそれまで立香の体力を消耗させないように、彼女を休ませていた。
     斎藤は眠る立香の髪を指で梳いてから頭を撫でる。
     魔術の徒としても、数多の英霊を使役する立場としても、立香はまだまだ足りない部分が多くある。
     だけど彼女の真っ直ぐな性格や一所懸命なところは、他のサーヴァント同様に自分も立香をマスターと呼び慕い、己の剣を彼女の為に振るうまでになった。
     そして彼の立香をマスターと慕う気持ちは恋慕に変わり、斎藤はその想いを持て余すようになった。
     立香は北の極点に輝く星のように、確かに斎藤の目の前にいる。けれど、影法師の存在の自分は星を追うだけで、その光を掴むことはできない。
     けれど、今だけ。全てが終わるまでは立香の側に。
    「……好きだよ。立香ちゃん」
     斎藤は届かない気持ちを苦しそうな声で呟く。すると声に反応したのか、立香のまつげが震え出した。
    「…はじめちゃん?どうしたの?」
     立香は目を覚まし、眠そうな声で斎藤に尋ねてきた。年若い彼の主人は心配そうに斎藤を見つめている。
    「なんでもないよ、マスターちゃん。まだ合流まで時間があるから寝てな」
    「うん…」
     斎藤が微笑みながら言うと、立香は安心したのかまた眠りにつく。眠るとき、彼女は少しだけ斎藤の膝に擦り寄るような動きをした。
    「…タイミング良いなぁ」
     さっきの言葉を聞かれなくて良かった、と斎藤は胸を撫で下ろした。
     先程の呟きは誰にも聴かれたくない自分の我儘だから、立香はおろか他の人にも聞かれては困る。
     彼は眠る主人の髪を指で梳きながら、彼女を見つめた。
    「頼むから…俺から離れてくれるな、ずっと、そばに居ろ」
     斎藤は完全に寝入っている立香に聞こえないような小さな声で呟く。
     今この時だけは誰にも邪魔をされず、二人だけで居られる事を許された時間。斎藤はそれなら自分の気持ちを少しだけ呟いても良いだろうと思った。
     自分の気持ちを知らない立香は斎藤の膝枕で静かに寝息を立てていて、たまに擦り寄るような動きをしている。
     いつの日かこの想いが、静かに輝く北極星のような彼女に届いて欲しい。
     斎藤はそんな事を思って彼女の頭を撫でながら、仲間の合流を待った。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕🙏💴💴
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    funyu0220

    PROGRESS高ぐだ♀の社長と秘書の現パロ2発め。
    お付き合いを始めたばかりの二人を書きたかったので書きました。
    全3回の予定で、書き上げたらぴくしぶにぶっ込みます。
    すけべシーンも書く予定。
    君と初めての朝を。 そのいち。 七月のある日、夜の十時近くになった高杉重工本社ビルの通用口。ここで高杉重工の代表取締役である高杉晋作と、彼の秘書を務める藤丸立香が社屋から出る手続きをとっていた。すでに正面玄関から出入りできる時間ではないため、警備員に社員証を見せて退社する。
    「今日は申し訳無かったね、藤丸。金曜日なのに残業をお願いして」
    「気になさらないでください、社長。業務の方が優先ですから。社長も本日は遅くまでお疲れ様でした」
     二人が社屋を出て歩いていると、高杉が立香に対して申し訳なさそうに声をかける。けれど立香は高杉に対し、にっこりと笑って彼をねぎらった。
     高杉と立香は仕事は早い方で、残業は社内の平均以下の時間にとどまっている。けれど今週は普段の業務に差し障りが出るほど会議や来客が多く、時間外勤務をしないと業務が追いつかない程だった。今日は会議も来客も無いから早く帰ろうと思っていたけれど、翌週の月曜日に緊急の会議が開催される事になったので会議資料を作成していたのだ。
    2333