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    hime___icigo

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    hime___icigo

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    「体調崩すと巣作りしちゃう話」
    付き合ってるデュエス
    二人部屋偽造設定
    体調が悪くなると、デュースのベッドで布団や服を集めて巣作りしちゃう猫ちゃんみたいなエース
    いたでんさんが絵を描いて下さいました!
    https://twitter.com/itaden_0303/status/1442033212209831942?t=DRFX6e0JeL00RwP7SPJVAw&s=19

    「体調崩すと巣作りしちゃう話」(pixiv再掲)体が熱い、頭がボーッとする、高熱で全身がダルくて痛い
    眠るのも辛くて、寝ては起きてを繰り返し
    全然時間は経たないし体も休まらない
    デュース、デュース、心の中で何度も何度も名前を呼ぶ
    体調が悪い時はデュースが側にいないと心細くて眠れない
    一緒にいられない時はデュースのベッドの中で、デュースが着ていた服を抱える
    すると、ふわっとデュースの香りがして全身をぎゅーって包まれているみたいに安心する
    心身共に疲弊しきり、デュースの名前をうわ言みたいな呟きながら泣き疲れてエースは眠った

    「遅くなって悪い…って、エース!?」
    部屋にエースの姿はなく、変わりにデュースのベッドの上がこんもりと山のようになっていて
    布団やタオル、服、ありとあらゆる物にぐるぐる巻きになって、まるで巣でも作っているみたいなエースを見つけた
    エースは数ヶ月に一度ひどく体調を崩して数日寝込む時がある
    本人によれば大きな持病等はないが、昔から体があまり強い方ではないらしい
    今回はいつもに増して辛そうだ
    38℃を越える高熱が3日も続いている
    体が辛い時こうして僕のベッドで眠ると、抱きしめられているみたいで安心すると言っていた
    最初にその光景を見た時は、熱が出ているのに頭まで布団を被っては苦しいだろうし窒息してしまうのではないかとヒヤヒヤしたが
    本人が落ち着くと言うので最近は見慣れた光景だ
    以前エースが寝込んだ時に、僕の服を貸してほしいと頼まれた
    それも洗濯する前の物が良いと言うので、衛生的に心配になり止めたが
    その方がより濃く僕を感じられるのだと言う姿が愛おしくてたまらなくて了承した
    それからエースを残して学校に行かなくてはならない時はその日着ていた寝間着を渡してやるようになった
    自分からすると汗臭いかもしれないし、恥ずかしくてたまらなかったけど
    嬉しそうに僕の服を抱きしめて眠るエースを見たらそんな感情は吹き飛んだ
    「布団にこもってたら苦しいだろ、出ておいで」
    「デュース!」
    デュースを見るや否やガバッと起き上がり、飛びついてくるエース
    案の定熱で足元がふらつきデュースに支えられる
    「まだ熱が下がってないんだから
    いきなり起き上がったら危ないだろ」
    よしよしと、エースの頭を撫でながら再びベッドに寝かせる
    「…寂しかった、ごめん何でもない」
    ゴニョゴニョと口ごもり声はどんどん小さくなっていく
    チェリーレッドの瞳には涙が溜まり、キラキラと宝石みたいに輝いていて、不謹慎だが綺麗だと思った
    目は赤く腫れ、頬には涙の跡、相当辛かったのが見てとれる
    「エースは偉いな」
    「え?オレが偉い?いつも看病してもらって迷惑ばっかりかけてるのに?」
    デュースはいつも優しい
    体調を崩して起き上がるのも辛くて、何も出来ないオレを気遣ってくれる
    小さな頃からずっとこんな調子なので、両親や兄には相当迷惑かけたし
    親元を離れ寮生活になった今も熱は出していないか
    ちゃんとご飯は食べれているのか
    過保護過ぎる位心配の連絡が絶えない
    エレメンタリースクールやミドルスクール時代の友達にも気をつかわせていたと思う
    暑さや寒さ、季節の変わり目で体調を崩したり
    長時間外で遊ぶと体がついていかず決まって高熱を出したり
    学校の集会や行事では長時間立っていられず、貧血で倒れて運ばれるなんてことも珍しくなかった
    ミドルスクールに上がる頃には自分の体調のことについて大分わかるようになっていたので
    体を酷使し過ぎないようセーブして、いきなり倒れたりすることは少なくなっていった
    が、ナイトレイブンカレッジに入学して
    慣れない寮生活や目まぐるしい学園生活で体調を崩すことが増えて体調は以前に逆戻りしてしまい
    高校生になっても弱いままの自分が情けなかった
    デュースは体調の変化に気づいて、いつも隣でサポートしてくれる、オレにはもったいない位最高で自慢の恋人だ
    「いつも頑張ってて偉いよ
    辛いよな、痛いよな
    僕の前では我慢しなくて良いんだ」
    大人だって高熱が何日も続けば体は悲鳴を上げるだろうにエースは滅多に弱音を言わない
    自分が弱いせいで周りに迷惑をかけていると思って、頼ることが出来ない
    「う…ぐす…熱で体重い、痛いよ、辛い
    デュースにも皆にも心配かけたくない」
    デュースの言葉を聞いて、今まで言えなかった言葉達が溢れてくる
    デュースはうんうん、と頷きながらエースの言葉を静かに聞いた
    「毎回苦しんでるエースを見たら代わってやりたいって思うけど
    僕には側にいることしか出来ない
    だから、せめて甘えてくれ」
    「デュース…」
    いざ甘えて良いと言われてもどうしたら良いかわからなくて、頭の上まで深く布団を被って引っ込んでしまう
    「あ、ごめ…またデュースのベッド…自分のベッド戻るから」
    ビクッと捨てられた子猫のように震えるエース
    「戻らなくて良い、エースの巣の中に僕も入れてくれないか?」
    「巣?」
    何のことだかわからなくて目をぱちくりさせる
    「僕の布団や服にくるまって寝る姿が猫の巣作りみたいだな、と思って」
    「え…」
    今まで無意識だった大好きなデュースの温もりに包まれたい一心でデュースのものをかき集めてこもるのが体調不良時の安定剤になっていたことに気付き一気に顔が赤くなるのがわかる、熱のせいではない
    こうなったらやけくそだ腹をくくるしかない
    「デュース来て、一緒に寝たい…」
    精一杯の勇気を振り絞って、デュースを招く
    「ふふっ、可愛いエース、本当に猫みたいだ」
    「や…違…んンっ」
    すりすりと喉の辺りを撫でられて目がとろんとしてしまう
    まさか本当に猫にでもなってしまったのか?
    熱に浮かされた頭の中はデュースに甘く溶かされすっかり夢心地だ
    「ゆっくりおやすみ、早く良くなりますように」
    ちゅっとキスを落とされ
    エースはデュースに包まれてスヤスヤと眠りについた
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