ウンザリする話'
ボクも大概女の子からの評判には敏感だけど、カラ松兄さんだって負けず劣らずだと思う。寄席に女の子が何人いるか。その子が狙い通りに笑ってくれるかどうか。日々そんなことに一喜一憂して騒いでいるものだから、今となっては父さんも苦言を呈するのに疲れたのか呆れ返っている。
そんなボクたちだけれど、「女の子に対する向き合い方」はちょっと違うようだった。
ボクは女の子が好きだ。かわいくて気立ての良い彼女が欲しい。早々に良い仲になって童貞を卒業したい。それでゆくゆくはお嫁さんにきてもらって、二人三脚で生活しながら子にも恵まれて。なんてったってボクは六つ子の中でも要領が良くて人付き合いも出来る希望の星だから、きっと将来は勝ち組間違いなしだろう。数年後には末松座赤塚亭の跡取り講談師として父さんにも認められて、誰もが認める一軍の男になるわけだ。
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