南瓜「いちまつ〜!ごめんな、来るの遅くなっちまって!ちょっと、色々あってさ…」
「いいよ、気にしないで。それよりいろいろって何があったの?」
「それがさあ、社出ようとした直前に参拝に来たおばあちゃんがさ、帰り際にすっ転んじゃって。無視すんのも心苦しいから家まで送ってやったんだよ」
「んで、お礼にってこれ貰った」
「そうだったんだ。大事そうに抱えてるようにみえるそれ、なんだろうってずっとおもってたんだ…どういうのなの?」
「南瓜、だってさ。甘くて美味しい野菜らしいよ。抱えてんのはでかいから片手で持てないだけ!」
「え…こ、これがやさい…?なの…?」
「うん俺も最初食いもんだって分かんなくてさー聞いてみたんだよ!『漬物石か何かですか?』って!」
「そしたらすっげぇ笑われた」ひどくない!?
「ふふ!そうだね」
「あっいちまっちゃんまで笑うなんてー!」
「んふふふ…ごめん、」
「あはははははははははははははははははっ!!!!!」
「「」」
「あっじゅうしまつ!」
「おそまつにいさんってばかぼちゃの事つけものいしって言うなんて変なの〜たべものかそうじゃないかぐらい見たらわかるでしょさすがおそまつにいさんだね〜www」
「ちょっおまっ…!居たなら最初から出て来いよ!てか露骨にひっでぇな」
「でもじゅうしまつくん?そういう君だってこれの第一印象は食べ物以外のなんかだったんじゃないかね」
「あ、それがかぼちゃなんだ!へー!どうみてもやさいじゃん!」
「ふふふ、うそは良くないなーじゅうしまつ!『炭のかたまりかと思った』って考えてたよね?」
「え〜っそうなの俺よかひでぇじゃ〜ん」
「あっ…神術使うのはずるいでしょいちまつにいさんていうかそういういちまつにいさんこそ何に見えたのさ」
「えーおれ?おれは……その……遠目にみたのがさいしょだから…」
「だから?」
「…………ねこちゃん」
「えっ」
「ね、ねこちゃんまじか可愛いねお前www近くで見た時ちょっとがっかりしたんじゃない」
「っっ…!ちょうどまるまったねこちゃんくらいの大きさだったしおそまつにいさんが大事そうに抱えて歩いて来たせいだから!あとちょっとと言わずすごいがっかりしたよ」
「そうなのwww」
「ていうかぼくら全員さいしょに見たときかぼちゃのことやさいって思ってないじゃんみんなでかぼちゃにあやまろーよ」
「南瓜に謝るwwwそ、そうだね大事だよね!いいこちゃんだなーじゅうしまつはー!」
「はっちがうしぼくはただかぼちゃにむかって土下座するおそまつにいさんが見たかっただけだもん」
「まって俺土下座しなくちゃいけないのwwwかぼちゃを誤認した罪って重いんだなー!」
「お、おれも土下座…」
「いやいちまつにいさんまでやれとは言ってないし、その…感謝を込めて頂きますって言えばいいと思う!」
「そ、そうなの?」
「うん!」
「良い事言うねーじゅうしまつ!よしじゃあ早速料理しようぜー!お前らもちょっと手伝ってもらってもいい?」
「はーい!」
「…おそまつにいさんが土下座するならいいよ」
「頑なだねお前」
「…えー…本日はー…甘くて美味しいと評判である貴方様の事を…〝漬物石〟だと思ってしまって」
「すみませんでしたぁ」
ガバッ
「ここだけ見るとかぼちゃさんのこと崇めてるみたいに見えるね」
「評価は百点中五点」
「あれあんま面白くなかった残念」
「ともかくこれで手伝ってくれるよなじゅうしまつ?」
「しょーがないなー!何すればいいの?」
「とりあえずこの南瓜、風刃の術で切って欲しい」すっげえ硬いから
「分かったー」
すぱん!
「上手いあんがと!」
「じゃあこれを一口大に切り分けてー、火炎の術で火ぃ起こしてー…」
「いちまつ、水流の術でお水鍋に出してー!」
「うん!」
サラッ…!たぷん!
「上出来!ありがとな!後は火にかけてやわらかくなるまで見張ってるからー…ふたりは遊んできたら?」
「えっいいのーやった、何して遊ぶじゃうしまつ?」
「じゃあかくれんぼ」
「いいよ、やろやろーいってきますおそまつにいさん」
「ってきまーす」
「なはは!行ってらっしゃ〜い!」
「あーじゅうしまつ強すぎ〜!一回もみつけられなかったよ!」
「いちまつにいさんこそかくれるの上手すぎだよー!さいごなんてどこにいたのさ」
「ふっふっふー!実はね、みずうみの底にずっといたんだ〜!」
「え〜ありなのそれ」
「つかえるものはなんでもつかっていいって決まりでしょー」
「ああっそうだったぁそれぼくが決めたのに忘れてたー」
「ふふふっ!…楽しかったね!」
「それはそう!でもあちこちさがし回ったからちょっと疲れちゃった〜」
「おれも〜」
「フッフッフ…そんなお二方に是非お送りしたい料理を御用意致しましたよ〜!」
「あっおそまつにいさん!」
「かぼちゃ料理できあがったの?」
「その通り!じゃ〜ん!」
「「おお〜!」」
「なんかすごいおいしそう!」
「わあっ見てるだけでおなかすいてきた〜!」
「俺も俺も〜!早くさんにんで食べよ〜ぜ!!」
「「うん!」」
「「「いっただっきまーす」」」
ぱくっ
「「「あっまぁ〜」」」
「綺麗に被ったねwww」
「ふふっ!そうだね!」
「おそまつにいさんと被ったのなんかくやしい!」
「えっなんで〜」
「しっかしほんとに甘くてうまいなこれ!」
「ね、やさいとは思えないくらいおいしい〜」
「うん、おいしくてすっごく甘いけどこれならおかしとちがっていっぱい食べても怒られないよね」
「んまあ野菜だしな!ふたりとも気に入ったみたいで良かったわー!今度からあのおばあちゃんに売ってもらえないか聞いとくな〜」
「「やった〜」」
「それじゃごちそうさましよっか!」
「はーい!」
「うん!」
「「「ごちそうさまでした〜」」」