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    まつり

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    まつり

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    リプきたセリフで一文書くやつ

     いつも賑やかに夜を生きるドラルクだが、今夜はいつにも増して騒がしく生きていた。
     ロナルドの隣を歩こうとするものの、ポンチな吸血鬼のおかげで形容し難い格好になってしまった相棒の姿がツボに嵌まり、腹が捩れて笑い死ぬほどの呼吸困難に見舞われているのだ。
     はじめこそ己の不運を笑い飛ばすドラルクに怒りを示していたロナルドも、笑い過ぎてヒイヒイ言いながら砂になる吸血鬼の様を心配する始末だ。
     苦しそうなドラルクの笑い声は、高く高く星空へ伸びていく。

    「おい、いいかげん正気に戻れよ」
    「その格好で心配するとか!! ダメだ着替えて! いやまだ待って絶対写真撮りたい!!」
    「殺していい?」
    「ヌ、ヌオ……」
    「待って待って。ロナルド君が視界に入らなきゃ大丈夫だからふふふっ」
    「どの口が言ってんだ」

     律儀にドラルクの背後へ回り込んだロナルドが呆れて肩を落とせば、幾分か落ち着いたらしいドラルクが砂山から再生しつつ満足そうに手を振った。

    「君と出会ったことでこんなにも面白くて飽きない世界があるって知れたよ」

     砂混じりの息も絶え絶えなセリフに、お前の方が面白おかしい存在だろうと喉まで出かかった思いを飲み込んだロナルドは、胸に蟠る諸々発散のため、親切のふりをして再度ドラルクの眼前にポンチな格好を晒すのだった。
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