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    あまねこ

    @sweets_nyanko

    エーデュースに人生狂わされた♡♤推し

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    あまねこ

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    エスデュ
    小説とはとても言えない妄想の殴り書きのようなものです。CHICO with HoneyWorksさんのLoveWhistleって曲聴いて書いたやつ。えすが勘違いしてでゅを諦めようとするけど無理だったっていう話。えす目線。

    #エスデュ
    Ace Trappola/Deuce Spade

    止まれない夜空のような深い紺色の髪。飴玉のようなキラキラしたピーコックグリーンの瞳。触れたくなるようなつややかな唇。それらを持ったたった1人のその全てが日々オレの瞳を奪っていた。
    この気持ちに気づいたのはごく普通の日常の中で、これといって特別なことがあった訳でもない。ただその一瞬。ふとした瞬間。オレの心は簡単に奪われた。いや、もっと前から、とっくに奪われていただろう。それを認めようとしなかったのは、その気持ちに蓋をしようと来てたのはオレ自信。理由は簡単。負けた気がするから、悔しいから。そんなガキくさい変なプライドも多少はあったと思うけど、何より今の関係を壊したくなかった。それが一番の理由。そうやって自分の中にある恋心に蓋をしようと日々葛藤していた。それなのに、アイツはこっちの気も知らないで簡単にこの気持ちを自覚させてきた。その仕草が、その姿が、その言葉が、その笑顔が、オレを溺れさせていく。
    こうなってしまったものはしょうがない。オレは欲しいものは絶対に手に入れる主義なんでね、何がなんでも手に入れてやろーじゃん!そう意気込んだオレに届いた同じ寮生のダチからの一通のメール。それは決めたばかりの俺の覚悟をいとも簡単に玉砕するものだった。


    「おいエース!デュースに彼女できたらしいんだけど、お前なんか知らね?!」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    他の奴らは出払ってる部屋で1人、オレはそのメールと向き合っていた。
    え、待って待って待って。は?どういうことだよ。デュースに彼女?アイツ女苦手だったんじゃねーの?そもそも女と関わる機会とかアイツにねーじゃん。どこで知り合ったんだよ。いつも冷静なオレの頭の中珍しくは混乱していた。
    てかオレたった今デュースを俺のモンにするって決意したばっかじゃん。告ってもないのに振られたワケ?意味わかんねーよ!
    ......アイツに彼女がいるっつっても、この気持ちが無くなるわけねーのに。そんなの、俺が一番分かってんのに...。
    窓を開け、外の空気を思い切り吸い込む。
    「彼女持ち好きになるとか、サイアクすぎ...」
    大きく重いため息と共に漏れたその言葉は、オレの心情とは真逆に、穏やかな風に流されて行った。


    今まで恋愛という物に一切縁も興味もなかったデュースの色恋話に、ルームメイトやクラスメイト、寮のやつらは異常なほどに食いついた。授業が終わり寮に戻ってくるやいなや、毎日のように寮の談話室に人が集まり、デュースを引き止めて話を聞き出そうとしていた。教室や部屋でも質問攻め。そして今夜は部屋でルームメイトに質問攻めされる日だったらしい。
    「おいデュースそろそろ白状しろよな!?いるんだろ彼女!どんな子なんだよ?」
    「そうだぞ!観念してそろそろ教えやがれ!」
    「いや、だから僕に彼女なんて居ないって言ってるじゃないか...」
    そんな会話をオレはベットの上で、興味無さそうな顔をしてスマホ片手にしっかり聞いていた。
    デュースは彼女の存在を否定する。やっぱ勘違いじゃねーの???そんな自分に都合のいい可能性を頭の中で浮かびあげる。
    「でもさ、最近のお前、スマホ眺めながらいかにも恋してますよみたいな優しい顔してるって言ってたヤツら居るんだぞ?」
    「そうだぞ!証人ならいるんだからな?」
    「うっ、そ、それは...」
    そうやってデュースは頬を赤くしながら目を泳がせる。は、何その反応。否定してるくせに、ほんとにいるみてーじゃん。
    「ほらぁ!その反応!絶対いるだろ彼女!!!」
    「だからいないって言ってるだろ!」
    顔を赤く染めながら反論する今のソイツに説得力の欠けらも無い。必死に隠そうとするその反応のせいで、ますます信憑性が増していることにアイツは気づいていないんだろう。
    「なぁエースはなんか知らねーの?お前いっつもデュースと一緒なんだし、何かしら知ってんだろ???」急に振られた話にオレは素っ気なく「残念だけど、オレはなんも知らねーよ」と不機嫌な態度を隠しもせず言い捨てた。
    らしくねーなオレ。ダッサ。
    「まじかよ、ガード方すぎだろ!」
    その後もしばらく粘っていたルームメイトもついに諦めたのか残念そうに他の部屋に遊びに行った。
    部屋にはオレとデュースの2人きり。
    オレはさっきのやつらと同じようにデュースに問いかけた。
    「なぁデュース。オマエ、彼女いるってマジなわけ?いるんならオレに言ってくれても良くね?一応マブなんだしさ〜」なんて、いつもの調子で。焦る気持ちを隠しながら。
    「お前まで何なんだ全く...、いないって言ってるだろ。ほんとにいないんだ彼女なんて。」
    その答えにオレは酷く安心した。が、そんな安心もつかの間。
    「けど...」
    「けど?」
    そう言ってデュースは頬を赤らめながら、恥ずかしそうに言葉を続けた。
    「僕、好きな奴が居るんだ。」
    そう放たれた言葉にオレは心臓が潰されるような感覚を覚えた。血の気が一気に引いて、冷や汗をかき、心臓はうるさいほどにバクバクと音を立てている。自分がどういう状況かはすぐに分かった。焦ってる。そんな俺の気も知らず、デュースは言葉を続けた。
    「よくわかりやすいって言われるけど、ここまでとは...。アイツらはそれを彼女が出来たって勘違いしたんだろ。気づかれないようにしてたんだがな。」
    人差し指で頬をかくような仕草をし、恥ずかしそうに笑うデュースがそこにはいる。
    「......へ、へぇ〜?鈍感デュースクンに好きな奴ねぇ?ま、せいぜい頑張れば?」
    そんな思っても無いことを口にする自分自身に嫌気がさす。
    やだ。オレを見て。オレだけを見てよ。他のやつなんて見てんじゃねーよ。
    他のやつのために頑張って欲しくない。オレのために頑張ってよ。
    「言われなくてもそのつもりだ」
    少し口を尖らせて、むくれたような表情を作るも、その瞳は優しかった。
    「もうこんな時間か、明日も早い。僕はもう寝るぞ。」
    おやすみエース。そう言い残してデュースは自分のベットに向かっていった。
    「ん、おやすみ。」
    なんて平然を装って、オレもベットに寝転んだ。
    何も考えたくなくて、受け入れたくなくて、オレは目を閉じ眠りについた。


    「エ......起.........ろ」声が聞こえる。聞き慣れた、俺の大好きな声...。
    「エース!起きろ!遅刻するぞ!」
    いつものようにオレを起こす声に、ゆっくり頭を上げ、目を開ける。まだぼやけている視界に映っているのはいつもと変わらない、愛しくて、大好きな1人の姿。
    「ふぁあ...。おはよ、でゅーす。」
    「まだ寝ぼけてるな?早く準備しろ。じゃないと置いていくからな!」
    「はいはい、今準備しますよっと」
    そう言ってベットから出た。
    わざわざ起こして待たなくても先行けばいーのに。待ってくれるあたりオレのこと大好きじゃん。でも、デュースには好きな奴がいる。オレが昨日知った衝撃の事実。それが本当であることはその表情から痛いほど思い知らされた。でも...好きなんだよなぁ...。扉の前で腕を組み待ってくれている想い人を眺めながら、オレは早々に準備を済ませた。


    その日の授業はなんも入ってこなくて、ずーっと上の空。デュースには幸せになって欲しいから。そう自分に言い聞かせて、デュースへの思いを閉じ込めようとする。けど、そうしようとすればする程、好きな思いが、愛しさが、さらに膨らんでいってしまう。だから、距離をとることにした。移動教室はいつも一緒、昼飯も一緒だったけど、それからは別々になるようにしていた。本当は一緒にいたい。隣にいたい。今、俺じゃない誰かが隣に居るんだろうな。最悪。自分でやってることなのにね、ほんとバッカみてぇ。

    そんな事を続けて3日目。もう限界。いや、早すぎでしょ。そんなことを考えてたら後ろから聞きなれた声が聞こえてきた。
    「エース、話がある」
    その声の持ち主が誰だかなんてすぐ分かった。あぁ、オレの、大好きな声。
    「なに?俺、急いでんだけど」
    本当は急いでなんかないし用事だって無い。ただただ、この気持ちが溢れてしまいそうで。
    「それはすまない…。なぁエース、お前最近僕のこと避けてるよな?僕、何かしたか?」眉を下げてデュースは言う。
    「あー、デュース好きな奴いるって言ってたじゃん?俺と一緒に居て、ソイツに勘違いされたくねーかなと思ってさ。オレも好きな子いるし、その方がいいかなーって。」ヘラヘラしながら、マブらしく、もっともらしい理由を選ぶ。
    「そんなこと…、!」
    そして、その声をさえぎるように言い放つ。
    「オレはマブとして、お前の事応援してあげてんの!優しいっしょ?オレ」
    思っても無い言葉。本当はマブだなんて思ってない。でも、デュースが幸せになれるなら。そう思って。
    デュースからの反論は無く、沈黙が流れた。
    その沈黙を破るように、デュースは口を開いた。

    「そうだな、僕たちはマブだもんな」

    あぁ、言われてしまった。
    けど、その言葉を発した本人の顔は

    ……は、なんでそんな苦しそうな顔してんだよ。

    「…時間をとってすまなかった。じゃあ僕行くから
    。」
    そう言って後ろを向き去って行くお前を、追いかけないことが正解だって、分かってるのに。
    そんな顔されたら、期待しちゃうでしょ。
    気づいたらオレは走り出してて、赤信号だって分かってる。それでも、それでも。

    動き出したこの気持ちは、この体はもう
    止まれない。

    「デュース!!!!!」

    普段は出ない、自分でも驚くほどの叫び声と共に、デュースの腕を掴んだ。

    「!?」

    突然の事に目を丸くして混乱するデュースを待つことはせずに、オレは思いをぶちまける。

    「ダメだって分かってる、お前を困らせたくなんてない。だから必死にブレーキかけたよ。でも、それでも、ダメだった。オレはお前をマブだなんて思えない。好きだよ、好きなんだよ、デュースの事が。ほかのやつなんて見るな、オレだけ見ててよ。お前が他の誰のことを好きでも、オレはお前が好きで、叶わないって分かってても」

    ドラマチックな展開も要らない。バットエンド上等。

    「それでもオレは、デュースの事が好きなんだよ!!!」

    やってしまった。隠そうと思ってた。でもあの一瞬のお前の顔が、あまりにも苦しそうな、悲しそうな色をしていたから。
    あぁ、きっと困った顔をしてるんだろうな。そう思いながらそっとデュースの顔を見た。
    けど、そこにあったのは、綺麗なピーコックグリーンの瞳からポロポロと溢れる涙で。
    あーあ、泣かせちゃった。
    しばらく沈黙が続き、先に口を開いたのは、さっきとおんなじデュースの方だった。

    「エース、僕は、お前を好きでいても、いいのか…?

    「………え?」

    え、今なんて、聞き間違えじゃなければ、今、俺のこと好きって。

    「僕は、お前を諦めなくて良いのか、?」

    綺麗な瞳から涙を零しながら、デュースはそう言う。

    「エースが僕のこと、避けるから…、嫌われ、たと思ったんだ、。気持ちが、バレたって、。好きなやつもいるって、僕のこと、ダチとしか思ってないって、さっき、言ったから、」

    その言葉は泣いているせいか途切れ途切れで、それでも、必死に伝えてくれていると、はっきり分かった。

    「はは、なにそれ…デュース好きなやついるって…、え、もしかして…」

    「僕が好きなのは、ずっとエースだけだ」

    頬を伝う涙が、涙があふれるその瞳が、眉の下がったその笑顔が、夕日の光に照らされてキラキラと輝く。

    気づいたらデュースを抱きしめていた。強く、強く、離さないというように。

    「まじで、焦ったじゃん。なにそれ、ちょー嬉しいんですけど。ねぇ、デュース。オレのこと好きって言ってくれるならさ、オレと付き合ってよ。」

    そう言って笑いかけると、目の前の大好きでやまない、誰にも渡したくない、世界で1番綺麗で愛しい想い人は、幸せそうな顔をして言った。

    「よそ見したら、許さないからな」






    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    この後デュースに彼女がいるのもエースの他に好きな人がいるってのも勘違いだったと説目をされて必死になっていた自分を振り返り恥ずかしさのあまり寝込むえーすくんでした。おしまい!


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