好奇心でやけどする麒麟ちゃんのはなし 今まで五百年以上生きてきて、大抵のことは見聞きしてきたし体験してきたから、初めてのことなんてそうそう残ってはいない。あるとしたら色恋ぐらいだと不意に気付いて、そうして気付いてしまったら、それがどんなものなのか、六太は急に知りたくなってしまった。
「というわけで、してみたいんだけど」
「何故俺に言うんだ」
「だって、おれが尚隆以外に言うとぱわはらになってしまうだろ」
「ぱわはら」
「逆らえない立場の相手に無理強いするのは良くないだろう。その点お前なら問題ないじゃん」
「俺に強請るのは無理強いではないと」
「だからさあ、なあ一回ぐらい別にいいだろ減るもんじゃなし」
言い募る六太を、尚隆は目を細めて呆れたように見やった。ややあって、六太の身体を抱え上げ卓の上に座らせる。近くなった目線。温かくて大きな手のひらが六太の頬を撫でる。それが心地よくてつい自分から頬を擦るように顔を寄せると、尚隆の目が一層細まった。
891