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    lvdeshanye

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    #尚六恋の練習をするふたりアンソロジー2023

    500歳超えでもキスもしたことがないたいほ、恋してみたい!ってなった時に相手が殿しか浮かばないの超かわいくないですか?かわいい

    っていう過去のつぶやきを拾って組み立てました。過去の私〜!ありがとう!

    好奇心でやけどする麒麟ちゃんのはなし 今まで五百年以上生きてきて、大抵のことは見聞きしてきたし体験してきたから、初めてのことなんてそうそう残ってはいない。あるとしたら色恋ぐらいだと不意に気付いて、そうして気付いてしまったら、それがどんなものなのか、六太は急に知りたくなってしまった。

    「というわけで、してみたいんだけど」
    「何故俺に言うんだ」
    「だって、おれが尚隆以外に言うとぱわはらになってしまうだろ」
    「ぱわはら」
    「逆らえない立場の相手に無理強いするのは良くないだろう。その点お前なら問題ないじゃん」
    「俺に強請るのは無理強いではないと」
    「だからさあ、なあ一回ぐらい別にいいだろ減るもんじゃなし」
     言い募る六太を、尚隆は目を細めて呆れたように見やった。ややあって、六太の身体を抱え上げ卓の上に座らせる。近くなった目線。温かくて大きな手のひらが六太の頬を撫でる。それが心地よくてつい自分から頬を擦るように顔を寄せると、尚隆の目が一層細まった。
    「つまりだ、お前はこれから俺に恋をする訳だな」
     愉快そうに笑う尚隆の顔が近づく。あ、違うこれ呆れてるんじゃない、
    「尚隆、ま、っ……」
     静止をする間もなく、顎をぐいと掴まれて唇を塞がれる。逃げを打つ身体を空いた方の腕で抱え込まれて、口付けは深くなった。
    「……っ…、っ……!!」
     くるしい。息が出来ない。目眩がする。顔が、熱い。
     ほとんど頭が真っ白になりながら、必死で拳を振り上げる。どんどんと二、三度尚隆の胸を叩くと、ようやく唇が離れた。
     肩で大きく息をしながら呼吸を整える。息が乱れて何も言えない六太の横で尚隆はくつくつと笑っている。
    「麒麟の恋がいかようになるものか、楽しみだな。なあ、六太」
     悪い顔で囁く尚隆に鬣を一房取られ、持て遊ばれる。そのまま耳朶に掛けるように撫でつけられて、鬣を梳かれても、六太は唇を震わすばかりで何も言えなかった。自分は選択肢を間違ったような気がする。尚隆を恋の相手にするなんて。
     今更ながら六太は後悔したが、もうすでに口付けをする前の自分には戻れないことを、早鐘のように打つ鼓動と共に感じていた。

    おわり



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    lvdeshanye

    MEMO⚠️非合意の描写あり 暴力表現はないです

    夜這い話を書いたときに、珍しく尚と性癖喧嘩しなくてあっなんか行けそう、尚視点で書けそう、と思ったやつを今回のお題に絡めて書きました。
    尚視点で書いたものの、心理描写がなくて分かりづらいかも知れない…。六たさんへの恋心に自覚があって、色々思い詰めて行動に出た尚さんのつもりで書きました。伝わってるかな…。お話書くのムズカシ〜!BGM:CHE.R.RY/YUI
    尚六ワンドロ・ワンライ 第22回お題「後朝」  明かりも持たぬままに、夜の闇をくぐり抜けて歩く。道中人に見つからないように、草を踏む音にも気を付けて歩くさまは、散歩と言い張るには些か厳しい。増してやここは自分の庭院にわではない。完全なる不法侵入というやつだったが、尚隆は歩みを止めなかった。

     わずかに軋む音をさせながら、漏窓まどから目的の房間へやに入り込むことに尚隆は成功した。ところが間も置かずに六太が姿を現した。他でもない、この房室の主は六太である。無論彼が居ることに不思議はないが、夜半を過ぎての訪問――それも無断での――を出迎えられるのは、尚隆には予想外だった。すでに眠りについているものと思っていたからだ。
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    lvdeshanye

    DONE #尚六恋の練習をするふたりアンソロジー2023

    500歳超えでもキスもしたことがないたいほ、恋してみたい!ってなった時に相手が殿しか浮かばないの超かわいくないですか?かわいい

    っていう過去のつぶやきを拾って組み立てました。過去の私〜!ありがとう!
    好奇心でやけどする麒麟ちゃんのはなし 今まで五百年以上生きてきて、大抵のことは見聞きしてきたし体験してきたから、初めてのことなんてそうそう残ってはいない。あるとしたら色恋ぐらいだと不意に気付いて、そうして気付いてしまったら、それがどんなものなのか、六太は急に知りたくなってしまった。

    「というわけで、してみたいんだけど」
    「何故俺に言うんだ」
    「だって、おれが尚隆以外に言うとぱわはらになってしまうだろ」
    「ぱわはら」
    「逆らえない立場の相手に無理強いするのは良くないだろう。その点お前なら問題ないじゃん」
    「俺に強請るのは無理強いではないと」
    「だからさあ、なあ一回ぐらい別にいいだろ減るもんじゃなし」
     言い募る六太を、尚隆は目を細めて呆れたように見やった。ややあって、六太の身体を抱え上げ卓の上に座らせる。近くなった目線。温かくて大きな手のひらが六太の頬を撫でる。それが心地よくてつい自分から頬を擦るように顔を寄せると、尚隆の目が一層細まった。
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    lvdeshanye

    MEMO白銀の仁重殿ショック、あれ衝撃でしたね…
    えっ、王様仁重殿自由に行き来出来ないの!?じゃあ今までたくさん二次で読んできた夜這いかける尚隆今後見れなくなっちゃう…?!?!って思わずそこ心配しちゃった。超シリアスな場面で。
    その時は尚隆は律儀に毎回許可とりそうだなって思ったんですが、今回は好き勝手入ってくる感じで書きました。
    はにわの書く失道ネタはすべて夢オチです。BGM:Le couple/sofa
    尚六ワンドロ・ワンライ お題「夜這い」 ふと暖かい気配を感じて、六太は目を覚ます。うっすらと目を開けながら帳の方を見やると、程なくして男が侵入してきた。
     男は片手で天幕を押し上げて、口元に笑みを浮かべている。
    「許可した覚えねーけど」
     些か不機嫌な声で六太が言うと、その男――六太の主である――尚隆は、気にしたふうもなく答えた。
    「警備が甘いな。庭の裏手だ、四阿あずまやのある」
     王と言えども勝手に仁重殿に入ることは許されない。何より麒麟の身の安全が優先される、言わば最後の砦なので、ここだけは王の権力の範疇外にある。六太の了承がなければ尚隆は入って来られない筈の場所だった。けれどどうしたものか、尚隆は度々こうやって、夜の闇を渡り六太の元を訪れる。普通に事前に知らせれば許可を出さないなんて事は無いのに、どうしてか黙って警備の目を掻いくぐってやって来ては、いたずらが成功したとばかりに笑っているのだ。
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