「先生なんか頑固の神で頑神だよ」「それは罵倒なのか?」 夢を見た。
「——その実力、認めてやらなくもない」
口元の血を拭い、そう笑った先生になぜか——どうしようもなく、胸が高鳴ると同時に。
これを引き出せるのがどうして自分じゃないんだろう、と思ったことも、間違いなく事実だった。
「……先生のばーか」
とはいえそれは、今現実で起こっていることとは悲しいほど無関係だ。なんてったって俺と先生は今、喧嘩の真っ最中で……その原因はよく分かっていないのだから困りものである。
……いや、そう表現すると少し語弊があるだろうか。原因自体は「俺が任務以外で魔王武装を使ったこと」だ。それは分かりきっている。ただ、それで先生が俺を叱りつける理由が分からなかった。
俺だって子供じゃないのだから、言われなくたってその危険性くらいは理解している。それでもやっぱりあの男からすれば、俺なんて赤子同然なんだろうな、と。
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