ミサキと「そういう仲」になったのは、黄泉に引き摺られた天司を救うと決めたあの日の夜。
無事に二人で帰還できたことを喜び、巣籠もりの動物の如く互いを慈しみながら夜を迎え、京一郎はミサキを再び同じ寝台へと誘った。
「お前なあ、男を寝台に誘うって意味わかってんのか?」
ミサキのいつものぶっきらぼうな口調に甘さが滲んでいるのは、きっと思い過ごしではないだろう。
無論、京一郎とて最初からそのつもりだ。
「もちろんわかってるよ。それにミサキ、根の道で言っていたじゃないか」
身体を寄せ、ずっと上背のあるミサキを見上げる。
延べた指先で、その形の良い唇に触れた。
「唇は帰ってからのお楽しみだ、って」
「ああ、もう……!」
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