キスの日👹🦊⚠️ナチュラル同棲
「ねぇVox、今日何の日か知ってる?」
「さぁ…知らないな、なんの日なんだ?」
「んー、知らないなら秘密」
と夕食を食べているMystaは言う。秘密、と言われると気になってしまうのが人間の性(正確には人ではないが。)である。Mystaとの夕食を終えたVoxはシャワーを浴びてドライヤーをかけながらスマホを手に取って調べる。
「キスの日…?」
日本で言う、キスの日とやららしい。当然、Mystaは何が言いたかったんだ?となる。キスなんて朝起きた時のおはようのキスや寝る前のおやすみのキスなど、当然毎日のようにしている。だからこそ、何が言いたいのか分からなかった。Mystaはキスをして欲しかったのか?夕食中に?と悶々とする。髪を乾かし終えて、Mystaにシャワーが空いたという事を伝えて、自分は何をすべきなんだろうかと考える。なんの日か知ってるか、なんて聞かれてキスの日だったとしたら、Mystaはキスがしたかったんだろうと当然のように思う。その日のMystaのシャワータイムはいつもより長くて、それで何となく察しが着く。あれは多分私が気になって調べることを想定してのMystaなりの夜のお誘いだったのかもしれない、と。Mystaから誘われる事はまぁまぁなくはないが、こんな遠回しなお誘いは初めてだな。と思う。Mystaがシャワーから出てきてリビングにドライヤーを持ってくる。Mystaに見られる前にスマホをぽんと少し離れたところにほおり投げる。
「Daddy〜乾かして♡」
「全く、仕方ないな」
何も知りません、という顔でソファに座ってテレビを見ていたフリをする。延長コードにドライヤーのコンセントを挿す。Mystaの濡れた柔らかい髪に触れて、ドライヤーをかける。前から思っていたことだったが、一緒に住むようになってシャンプーを自分の物と揃えてから、Mystaの髪は毛質がよくなり艶が出てきた。いままでどれだけ安いシャンプーを使っていたんだ…?なんて考えながらMystaの髪を指で梳く。乾かし終えて、いつものように洗面代の前で2人で歯を磨く。Mystaは左利きな為、毎回左側に立って、Voxが右側に立つ。Voxは空いているMystaの手をツン、とつついてみる。すると、Mystaからもツン、と返される。そのまま手を絡めて、お互いの手の感触を堪能する。Mystaがコップを手に取って口を濯ぐ。Voxもつられて口を濯いでタオルで口を拭うと、
「歯磨き中に誘ってくるなんて、随分情熱的だね」
「元と言えばお前から始めたんだろう?」
「あは、やっぱ調べたんだ。」
「まぁ、気になるからな?」
「まぁそんなこといいよ、早くベッド連れてって、Daddy?」
「あぁ、もちろん。」
Mystaを姫抱きで抱きかかえて、寝室へと連れていく。ベッドに下ろしたMystaとの一番最初のキスは、ミントの味がした。