アルコールの力でも借りないと今日はVoxの部屋に集まって5人で宅飲みをしていた。Shuは早々に潰れて机に突っ伏して寝こけている。Ikeはもう何を飲んでいるかも分からないと言った状態でほにゃほにゃと1人でテレビを見ながら、同じく酔っ払って何を言っても笑いが止まらないLucaと成立しているようでところどころ成り立っていない会話をしていた。酔ってはいるものの、まだギリギリ気を保っているのはVoxとMystaだけで、ほかの3人はもはや完全な酔っぱらいと化していた。そんな3人は放って置いて、VoxとMystaは何気ない会話をしていた。
「へぇ、ウケるねそれ、もうちょっと詳しく聞かせてよ」
「はは、この話はまた酔っていない時にしよう」
「え〜、気になる〜何、Voxはまたオレと飲んでくれるってワケ?」
「あぁ、いくらでも付き合うさ」
「ふぅん、なんかVoxってさ、オレの誘いだけやけにノリよくない?酔わせてワンチャンでも狙ってんの?」
とMystaはニヤニヤと笑いながら言う。それにVoxは少し考えたような素振りを見せる。IkeとLucaはいつの間にか二人とも眠ってしまっている。
「んん…ワンチャンか、それもありだな。」
「は、え?何言ってんの?オレ冗談のつもりで言ったんだけど…」
「お前を抱ける機会があるのなら、是非乗りたいがな」
「へぇ…はは、まぁ、オレもVoxに抱かれるのは悪くないとは思ってるけどね……」
「ふふ、なら試すか?」
「え、ぁ、いやそれは…酔ってない時にしない!?」
「そうか、残念だな」
Voxはニコニコとピンク色の瞳でMystaを見つめる。Mystaは自分が言ったことがなんだか恥ずかしくなってしまって顔が赤くなる。すると、そっとVoxの手がMystaの耳に伸びる。
「酔っているのか?耳まで赤いぞ」
「いや別に…そこまで酔ってないけど、てか何、Voxはオレに気でもあるの?オレは結構本気なんだから…からかわないでよ…」
「まぁ?無いと言えば嘘になるな」
「じゃあ…ちゃんと言ってよ、オレのことなぁなぁにして抱きたいくらい好きって、言って」
「フフ…さっさと抱いて、私の物にしたい位には好きだよ、Mysta」
「……っ、オレも好き……やっぱ今抱いて」
「なら場所を変えようか、お前の部屋で良いな?」
「…うん」
Mystaは恥ずかしそうに俯いて答える。顔が赤いのは、酒のせいか、はたまたこれからVoxに抱かれるという期待のせいか。
二人は、翌朝になってから途中から起きてしまったものの起きるに起きれず、半ニヤケで話を聞いていたShuに、「おめでとう」と言われて盗み聞きか、だなんて騒ぎだすのはまた別の話。