恋は前傾姿勢王都からの出張の帰りの馬車の席順はいつも決まってる。
エルヴィンの隣にリヴァイ。
ミケの隣に私が定位置だ。
だけど今回はミケがいないからエルヴィンの向かいに私とリヴァイが座った。
まあ当たり前だ。エルヴィンは上官だし、身体のサイズからしても私とリヴァイで2人掛けが妥当だから。
それなのに、普段なら別に気にならないことが今は、すごくすごく気になっている。
馬車が揺れるたびにぶつかる体温や軽く香るリヴァイの匂いが落ち着かない。
昨夜、3兵団幹部の懇親会で午前様だったエルヴィンはお疲れ顔で、目を閉じたまま束の間の休息を取るモード。
そう、すべてが絶妙なタイミングの夜だったのだ。
エルヴィンは不在。ミケは欠席。
私たちは珍しく自由時間をもらい、
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