匂いに誘われて 約200年生きてきて、そりゃきれいな項の処女の女の子の血を飲みたい…いや取り敢えず血を飲みたいと思う事はある。仕方ないじゃん。吸血鬼なんだから。だからといって人間を突然襲うような事はした事がない。紳士はそんな事をしないと言うのもあるが、引きこもっていたこともあって生々しい血の匂いを嗅ぐことが無かった。
しかし、この目の前に居る退治人ロナルド君はすぐに怪我をして帰ってくるからこっちの自制心を保つのがなかなか厳しい。何時もならそそくさとご飯を作りに行くのだが今日は何があったのか。何時もより多く血が出ている。その為血の匂いが充満している。
「君、何をしたの」
「ああ。珍しく吸血鬼らしい吸血鬼が出てさ暴れる暴れるお陰であちこち切れちまって…ドラ公…」
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