トリップドリップハットトリック リドルは寮服のヒールをカツカツと鳴らしながら、廊下を闊歩する。明日行われる寮長会議についての資料を学園長へ届け、寮へ帰っている途中だった。耳をすませば運動部の号令が遠くで聞こえ、自分も愛馬のヴォーパルに会いに行こうと歩みを早める。
「……?」
しかし、リドルはふと違和感感じて、足を止めた。今まで感じたことのない、気味の悪い気配。気の所為と思い過ごすことの出来ないほどの、である。
リドルは目を閉じ、その気配の在処を探る。どうやらそれは鏡の間の辺りにあるようだった。鏡の間は今リドルのいる場所から行くには手間のかかる場所にあるのだが、寮長として見過ごせない。
リドルはおりかかっていた階段を登っていく。
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