「イルカ先生、もうすぐ誕生日だよね。欲しい物やしたいこと、ある?」
イルカの誕生日まであと三週間となり、五月に入る前からいつ切り出そうかとそわそわしていたカカシは、待ち切れずにイルカの家に行ったタイミングで話を振った。任務が入ったら次はいつ会えるか分からないし、ナルトに先を越されてイルカの先約を取られても困る。
イルカは、自分の誕生日をカカシが覚えていたことに少し驚いていた。照れくさそうに「覚えていてくれたんですね」などと言っている。覚えているに決まっている。
付き合い始めたのは昨年の春の終わりで、イルカの誕生日は僅差で過ぎていた。こうした関係になってから初めて迎えるイルカの誕生日、そしてカカシにとっては初めて祝うイルカの誕生日だった。ずっと楽しみに待っていたのだ。
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