カレーは甘口どんなに好きあっていても味覚まで仲良く出来るほど、人間と言う生き物は優秀ではない。
好きな人と一緒に食べるご飯が美味しくなるのは、素敵な性能だけれども。
ある日の晩御飯。
そういえば2人でカレー食べるのはじめてだね。
そんな会話しながら台所に仲良く肩を並べたのが数時間前。
明日の方が美味しいかもだけど今日の晩御飯なのだ。炊きたてのご飯をもったお皿にカレーをそえる。この比率だとライスカレーなのかなんなのか、お腹がすいて思考が少し変な方向へズレていく。
食卓に並べていただきます。
こうやって2人で挨拶して食べるのにやっと慣れてきた。
「あっ…」
「ん?」
「まい…ですね…」
「あれ、そんなに?…食べにくい?」
「いや、それはないです。カレーって辛いものだと思い込んでいたので、びっくりしただけです。それに、」
「それに?」
「この甘口、癖になりそうです」
大好きなあなたが辛いものを食べた時にする表情は、たまにみるには可愛いな、好きだなって思うけど、今みたいに甘いカレーを食べて少し目尻がさがる顔の方がもっと好きなのだ。
確かに俺にはちょっと甘いけども、好きな人と食べるご飯は本当に美味しい。