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    やっしー

    @sbpk846

    ▲▲、▽▽が多いですが、▽▲、▲▽もあります。特殊設定もありますので、苦手な方は自衛くださいm(_ _)m

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    やっしー

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    SA▲▲ 頭痛

    A▲さんに甘えて欲しいけど上手くいかないS▲が頑張る話。弱って甘える兄さんが見たかっただけ

    ※ナチュラルに同じ執務室にいる
    ※思いのまま書いてるので文章やら色々とおかしいところあります

    いつかそうなれたら「ただいま戻りました」

    執務室で書類と格闘していると、にこやかに戻ってきた彼。1時間ほど前に彼の世界で何やらトラブルがあったようで部下から呼び出しをくらっていたが、どうやら無事に終えたらしい

    「お疲れ様です。大丈夫でしたか?」

    「えぇ、よくあるクレームです」

    ふふっと柔らかく笑ってデスクに付く彼。何故そこで笑うのかは謎だが(私だったらイライラが完全に顔に出る…たぶん)。暫くして書類に手を伸ばし始めたので、私も作業を再開させた。

    「………」
    「………」

    沈黙の中ペンが走る音が響く。私の筆圧強めな音と、彼の流れるようなサラリとした音………が二重奏を奏れば良かったのですが、あいにく響くのは私の心地よくもない音のみ。
    2人っきりになったら言ってくれるものかと思いましたが、やはりそう上手くはいかないものだ

    「………はぁ」
    「おや?お疲れですか?」
    「…まぁ」
    「少し休憩なさいますか?コーヒーでも入れましょう」

    そう言って立ち上がろうとした彼に「結構です」と言うと、そうですかと眉を八の字にさせた。

    あぁ違うんです。そんな顔をさせたかったわけでは…全く上手く伝えられない自分が嫌になる。立つことも辛いくせに、それぐらいの事も素直に言って貰えないほど自分は頼りないのか…いけない。今はそんな事考えるより先にすることがあるでしょう。自分にイラつくのは後だ

    立ち上がった私は、彼のデスクに向かう。キョトンとこちらを見ている彼に「失礼」と一応言葉をかけてから、背中と足裏に素早く腕を滑り込ませて抱き上げる。

    「きゃっ」と悲鳴を上げながらも、咄嗟に腕を首に回してくれたのはありがたい。おかげさまで運びやすくなった。力は私の方が上と言えど、身長はあちらが上なので少々バランスが取りずらいのだ

    「ス、スペノボさま」
    「いいから黙って運ばれなさい」
    「な、何故です?わたくし、やらなければいけない書類が」
    「そんなもの、後ででも貴方ならすぐ終わるでしょう。休憩が必要なのは、私よりも貴方。ご自分がよくご存知では?」
    「うっ……」

    フイッと顔をそらされる。やはり、自分の目は間違っていなかった。執務室に隣接された仮眠室のベットにそっと、頭に振動が響かないようにゆっくりと降ろす。制帽と制服を取り外し、ベットに寝かせてゆっくりと、その触り心地の柔らかな髪を撫でつければ、スっと目が細められた

    「いつから…」
    「朝から違和感は感じていました。確信したのはお昼頃。いつ言ってくれるのか、または休んでくれるのかと待っていましたが…いくら待っても進展しなさそうなので、強行させていただきました」
    「…申し訳ありません」
    「謝る必要はありません。いいから、少し休んでいなさい」

    痛みが少しでも和らげばいいと、前髪をかきあげて、そこにキスを落としてやれば一気にトロンと溶ける目。やはり相当無理をしていたらしい。言い出すのを待たずに、もう少し早く休ませてやれば良かった。

    悶々とする私がそばに居ても休めないだろうと、布団を肩までかけて早々に退室しようとした。だが私の足は、それは控えめに、去ることを拒むかのように後方へ引っ張られる感覚にピタリと止まった。

    「どうしました?」
    「……ノボリ様」

    か細い声でそっと呼ばれ、直ぐにベット傍に膝を着いて目線を合わせる。頭痛の痛みからか、少し目が潤んでるようにも見える。痛々しい表情に、彼の方に手袋を外した手を頬添えてやれば、その上からそっと握られる

    「何かいりますか?」
    「…」
    「ノボリ様」

    名前を呼べば、何か言いたげにさ迷っていた視線がピタリと合わさる。もう一度、先程より柔らかく呼んでやれば、ようやく小さく口を開いた

    「あたまを……撫でていてはくれませんか?」
    「…」
    「ノボリ様が撫でてくださると、不思議と痛みが和らぐのです」

    そう言って控えめに微笑むノボリ様。ようやく、ようやく言いましたね。

    「わかりました。ノボリ様、少しそちらに詰められますか?」
    「?こうですか」

    私が言った通りベッドの端によってくれたノボリ様。礼を言いながら、その空いたベッドの半分にスルリと体を滑り込ませると、小さく驚いた声が聞こえたが、知らん振りをしてノボリ様の腰と後頭部に手を回して抱き寄せ、柔らかい髪に指を通す。暫くそうして撫でていれば、突然のことに強ばっていた体から力が抜けていくのがわかった。少し体を離して表情を伺えば、寝落ち数秒前といった、可愛らしいとろけた表情。

    長時間眺め続けるのは目に毒なので、再び抱き寄せて腰に回した手を少し上にずらし、一定のリズムで軽く叩く

    「私も少し休みます。起きるまでずっとこうしていますから、安心しておやすみなさい」
    「…のぼり、さま」
    「なんです?」
    「おや、すみの…きすは」
    「えぇ、もちろん」

    もうほとんど閉じてしまっている瞼、そして少し開いている唇に軽いキスを送る。ふにゃりと一瞬微笑んで眠りに落ちたノボリ様を見て、ふぅと息を吐き出した

    普段どうでもいい時は直ぐに甘えてくるくせに、肝心な時に甘えてこない。疲れているなら、甘えたいなら素直に言えばいいのです。私は貴方の恋人なのですから。弱みを見せられたところで、嫌いになどなるはずが無い。むしろ喜ばしいと言うのに

    そうは言っても、きっと生粋の兄気質の貴方はまた吐き出さず溜め込んでしまうのでしょう。私の方が少し年下ですから、そこも無意識に気にしているのでしょうね

    でも

    今すぐでなくてもいい。貴方のペースで少しずつ寄りかかってくれれば、今はそれでいい。いつか躊躇わず頼れるような、寄りかかれる様な恋人になってみせます。

    「おやすみなさいませ」

    起きた時、貴方の笑顔を曇らせる頭痛が治っていればいい。今日まだ見ていない、愛しく優しい本当の笑顔が見れますようにと願いを込めて、無防備に寝る恋人にもう一度額にキスを送り、私も目を閉じた
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