全ては愛のために。 鬼狩りの後というのは、だいたい気が立っている。難しい任務であれば尚更で、そんな時は自分でも抑えきれない「何か」が暴れ出しそうな気がしていた。
だから任務終わりの明け方、宇髄が嫁たちの待つ自宅に帰らずに煉獄の元を訪れるのはその「何か」を抑えつけるためだ。それはたいがい、煉獄と激しく性交すれば収まる。感情に任せた、激しい獣染みた行為も、煉獄は黙って受け入れてくれた。女を抱く時に毎回こんなことをしていれば、壊してしまうに違いない。
感情と行動を抑制できないことを、宇髄はひっそりと恥じていた。煉獄以外にこんな情け無い姿を見られたくない、とも思っている。
その日に首を切ったのは、兄弟の鬼だった。まだ何も分からない子供のうちに鬼にされた、哀れな鬼たち。
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