【ごくパ展示】触れるだけ「あちっ」
ポップは焼き魚の熱さに思わず声を上げる。齧り付いた魚は焼きたてで熱々だった。
「ほら、気をつけないか」
言いながらこちらを見てくるヒュンケルにポップはプイと顔を背けた。
「わかってら!」
ポップはふうふうと息を吹きかけて魚を冷ます。今度こそ大丈夫だと思って齧り付けば、ふわりと柔らかい身と香ばしい味が口いっぱいに広がった。
あたりはすっかり日が暮れて暗くなっている。いくつかの焚き火があたりを照らしていた。大人数でのキャンプは賑やかで、それぞれが思い思いに過ごしている。
野宿なら旅の途中で何度もしたが、今は倒すべき魔王もいない。というか元魔王のハドラーもこのキャンプに参加している。アバン先生が結界を張っているから魔物に怯える心配もなかった。
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