〇〇しないと出られない部屋〇〇〇〇しないと出られない部屋
「……ん…?」
目を開けた瞬間、飛び込んで来たのは圧倒的な”白”だった。まるで塗り潰したかのような鮮烈な白。覚えのないその景色に、一気に思考が覚醒した。
「え……!?」
慌てて上体を起こして辺りを見回す。途端にぎしりとスプリングが軋む音がして。そこで初めて寝台に横たわっていた事に気づいた。その寝台も周りと同じように白い。
「ええと、……どうなってるんだっけ…」
微かに痛むこめかみを指で抑えてフィガロは思考を巡らせる。
ーーー確か今日は、任務も授業の予定もない日で。だから、思う存分惰眠を貪ってお昼近くに食堂へ行った。そしたら、急な任務の依頼が入ったのだ。中央の魔法使いは討伐に行き、西と北の魔法使いは合同任務で。そこで、フィガロとファウストに白羽の矢が立った。
2722