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※冬北
おっぱい調教するつもりなかったけど、結果的にそうなってしまう冬北、の冒頭

ため息に聞こえないよう注意しながらつめた息を吐く。少々不自由な体勢を強いられていることがそもそもの原因だが、北斗は視線を落とす。
「ねぇ冬馬…楽しい？」
冬馬は目だけでこちらに反応するとこくりと頷く。ぴょこりと立つアホ毛を揺らし、胸の突起にむしゃぶりつく冬馬は傍目から見れば滑稽に映るだろう。けれど、妥協案からの負い目と惚れた欲目で眩んだ北斗からして見れば、可愛らしいの一言で済ませてしまえるくらいに慣れてしまっていた。

些細な行き違いと譲歩から始まった不可思議な行為は本日で五日目。紆余曲折あって冬馬と付き合うことになり性行為については高校を卒業してからと決めていたのだが、それは難しいと冬馬が異を唱えたことがきっかけだった。
性欲旺盛健全盛りの青少年に厳しい条件であったし、加えて北斗の趣味はそのままと言うのも虫の良すぎる話でしかないのも事実だっただけに再考を余儀無くされた。
デート相手と肉体関係を持つつもりはなかったが、付き合っている冬馬とは大手を振ってデートに出かけることも出来ないのだ。誠実に彼だけを想っていることを示せれば、と頭を捻って俗に言う「恋人らしいこと」をしようと思い立ち冬馬に聞いたのだ。
どちらかの家でお互いが暇であれば、冬馬の好きなことをしようと提案すると顔を赤くしながらも頭を下げてお願いしてきたのは、胸を触らせてほしいと言う予想外の言葉で意図が読めないまま了承してしまった。
短くて数分。長くて数十分くらいの時間熱心に触れる冬馬。何が面白いのか好きなように触れていたが、おもむろに服を捲り上げて胸筋だけでなく乳首に吸い付いてきたのはさすがに驚いた。
手持ち無沙汰で、スマホか文庫かテレビを見るなり弄りながらで構わないと冬馬が言ったので好きに過ごしている。女の子なら気持ちよくなったりもするのだろうけど、何も感じないそこに性的な行為と言うよりも母性をくすぐられて、サラサラと肌の上をなぞる髪をすく。
何にせよ、一生懸命な冬馬は可愛いので今しばらくはこのままでいっかと楽天的に考えていたのは誤りだったのかもしれない。

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