愛いと言われて愛となるなら 左には諸伏が人懐こい笑みを浮かべる。カジュアルな白のパーカーがよく似合い、普段「俺に懐く後輩」という設定で俺と『会社勤め』をしていてもさもありなん。この姿だと普段以上にまるで年下かのような雰囲気を醸し出す。
右には降谷さん。生成りの薄手のタートルネックにブラウンのニットを羽織り微笑む姿は実にスマートで、「へえ!これがプリクラかぁ!」と声を弾ませていたのが嘘のように慣れた顔に見える。
そして。なぜか成り行きでセンターにいるのが俺だ。
両隣にブースに入るまではきちんと隠していたはずの獣耳を生やした美丈夫二人に挟まれた男は我ながら、引き攣った顔をしていて見られたものではない。
そんなシートを仕事の合間に見る姿はひどく滑稽に違いない。
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