永遠に秘密 「薔薇って、色によって花言葉が違うんですか?」
天之橋さんに車で家まで送り届けてもらっている道中に言った、何気ない質問。
「ああ。他にも、薔薇の状態や本数などによっても変わるね。組み合わせの数があまりに多いから、自邸の庭に薔薇園を構えているこの私ですらもまだ把握しきれていない花言葉がある程なんだよ?」
心底楽しそうに好きな物の話をする天之橋さんのあたたかい笑顔や嬉しそうな声を聞いたりするのはなんだかたまらなく心地がよくて、彼に車に乗せてもらう日はいつも彼の趣味にまつわる話を尋ねる。
「そんなに多いんですか!?てっきり天之橋さんは全部を覚えているのかと……」
「ハハ。いつかはそうなりたいものだね。」
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