「てんまつかさ! 5さいだ!」
「えぇえええ~~っ?!」
「嘘でしょ……」
「おやおや」
セカイに行ったら、外見も中身も5歳児になった司がでんっと立っていた。
「とりあえず色々確認しようか」
にこにこと笑いながら、類が司を抱き上げる。
「司くんは、さっきまで何をしていたの?」
「さっき?」
至近距離で、類の顔を司が見つめる。
いつも親にしているのか、反射のように司は、類のほっぺに自分のほっぺをうにゅぅっとくっつけて、「ピアノしてたぞ」と答える。
「オレ、ねちゃったのかな……?」
ゆめかな……? とちぃちゃく呟く司の隣で、類は目を細めたまま言葉を発しなくなってしまう。
「る、類……!」
焦ったような顔をした寧々が、「立ったまま気絶してる……!」と驚愕した。
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