光に交われば 本当に偶然。ふと思い立ってギラティナと再会したもどりのどうくつに降り立った。確かに、期待が無かったかと問われれば、即首を縦に振ることは出来ない。
「ウォロさん……」
思考よりも先に忘れることが出来ないその名前を呼んでいた。後からしまったと口を塞ぐが、もう遅い。逃げられてしまう、めかくしだまを投げてからか、ひそやかスプレーを使ってからにすれば良かった、等と一番考えてしまうのは職業病か。
このヒスイの大地に初めて投げ出されてから早五年。自分もすっかり慣れてしまった。元の時代が恋しくない訳では無いが、この時代にも大切な物や人が出来た。
目の前に一人で暗闇と同化して、そのまま消え入ってしまいそうなその人も。
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