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    liliy_usano

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    liliy_usano

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    狗巻先輩と喋るかっちゃんが好き…。

    *クロスオーバー二次創作の途中(冒頭部)
    *呪術廻戦×僕のヒーローアカデミア
    *(この冒頭部に本人は出て来ないけど)オリ主(女)の相手は家入さん

    さしすの同期は前世の仲間に会いたくない  ■  ■  ■

     2月下旬、国立雄英高等学校の一般入試が行われた。筆記試験を先日終え、今日は実技試験の日だ。
     狗巻は同級生の爆豪と共にその校門を潜る。そしてその前を歩く見覚えのある頭を見つけ、隣りの爆豪に呼びかけた。

    「ツナツナ」
    「あ?...チッ。どけデク!」
    「か、かっちゃん!」
    「俺の前に立つな、殺すぞ」
    「おおお早う、がんガンバ――」

     緑谷が何かを言い終える前に、爆豪は早足にその横を通り過ぎて行った。その様子を見て、教えない方が良かったかと緑谷に少し申し訳なく思う。しかし今までに比べて突っかからない様子から、爆豪も試験に集中したいのだろうと何だかホッコリする。

    「ツナマヨ」
    「あ、狗巻君、お早う」
    「しゃけ、明太子」
    「うん、頑張ろうね!」

     ニコッと笑い先に行った爆豪を追い駆ける狗巻を見送り、先程よりもいくらか緊張の解けた緑谷はヒーローへの第一歩を踏み出し――見事にコケた。

     実技試験の説明会場にて、配布された資料を手元に指定された席に座る受験生たち。キョロキョロと周りを見渡す狗巻に大人しく座ってろ、と小突く姿からは緑谷へ突っかかっていた攻撃性は見られない。

    「誰か探してんのか」
    「しゃけ おかか」
    「どっちだよ」
    「......こんぶ 明太子、ツナマヨ!」
    「あ?会ったことない奴探してどーすんだよ」
    「つ、ツナマヨ...?」
    「いや俺に聞くんじゃねぇ」

     しょんぼりと肩を落とすと、爆豪は面倒くさげに顔を顰めた。実に面倒であるからして。まあでも、学友(狗巻)が困っているなら少しくらい手助けしてやらん事もないというのが爆豪の考えである。

    「どんな奴だ」
    「ツナマヨ?」
    「特徴があンなら探しやすいだろ、その探してる奴」
    「...、こんぶ!!」
    「性別だけで分かるか!!!」
    「こ、こんぶ...。!しゃけ!すじこ ツナ、ツナマヨ!」
    「物の動きを止める個性、ってことか」
    「しゃけしゃけ」
    「他は」
    「......、......、すじこ こんぶ」
    「面倒見がいいっつー性格なんざ知るか!!」
    「ツナマヨぉ...!」
    「説明クソ下手か!」

     狗巻にアイアンクローをキメる爆豪に怯えながらも、指定された席である爆豪の隣りに座った緑谷。そしてその十数分後、プレゼントマイク(プロヒーロー)が壇上に上がった事で、説明会がスタートした。

     実技試験は10分間の模擬市街地演習。持ち込みは自由で、同校で同じ演習会場にならないように複数の会場にそれぞれ指定されている。
     演習場に配置される仮想ヴィランは、ポイントになる3種とポイントにならない1種の、計4種。ポイントはそれぞれの難易度で1から3ポイントと、0ポイントが割り振られている。0ポイントは所謂お邪魔虫であり、各会場に“1体が所狭し”と大暴れしている。
     この仮想ヴィランを行動不能にする事でポイントを稼ぐ事が、実技試験の内容となる。但し、当然の事ながらアンチヒーロー行為は禁止とする。

     実にシンプル。だからこそ分かりやすくヒーローとしてヴィランに対峙する心構えを試される。

    『〝Plus Ultra(プルスウルトラ)〟
     (更に向こうへ)
     それでは皆、良い受難を』


    「ツナ、明太子」
    「うん、狗巻君も気をつけてね!か、かっちゃんも...!」
    「うぜぇ」
    「ツナマヨ」
    「...チッ...ああ」

    「かっちゃん、狗巻君には素直に応えるよね...」
    「高菜、明太子?」
    「僕にもだけど、普通の友達にもあんなに素直じゃないと思うよ」
    「ツナ...すじこ?」
    「さ、さあ、僕にも理由は分かんないかな」
    「明太子」

     二人揃って首を傾げるが、これからバスに乗って会場へ向かうのだ。またね、とお互いに別れて指定された会場へ向かうバスへと移動した。
     そしてそれぞれの試験会場へ到着して数分。

    『ハイ、スタートーーー』

     準備運動をしていた狗巻は、その合図と共に走り出した。



     ■  ■  ■



    〜♪〜♪

    『もっしもーし』
    「こんぶ」
    『探し人見つかった?』
    「おかか」
    『あー、棘んとこもまだかー』
    「ツナマヨ?」
    『そ、悠仁と野薔薇も見つけられなかったって。まあ野薔薇には“あんな人混みであの人一人を見つけるとか無理ゲーでしょうが!!”って怒られたけどねー。皆同じ事言うの、ウケるね』
    「しゃけ」
    『あーぁ、早く見つかんないかなー』
    「ツナマヨ こんぶ?」
    『別にどうもしないよ?ただね、硝子からのお願いだから。それに僕らも会いたいしー』
    「ツナ。しゃけ、明太子!」
    『うん、皆そうだよね。棘なら合格すると思うから、入学後にも頑張ってちょーだいね』
    「しゃけ!」
    『ん、じゃーね』
    「ツナマヨ」

     ピッ、と通話を切ったケータイの画面に表示されていたのは、嘗ての先生であり、“今世”の先輩の名前。
     探し人は、そんな先輩(先生)の同期で、狗巻自身の恩師。そしてこの人探しには、狗巻だけでなくほとんどの“嘗ての仲間”が取り組んでいる事。己の“最期”を思い出し、探し人の“その後”を憂う者たちが、必死に。
     その年数は個々人で差はあれど、狗巻はもう十年近くをその人探しに費やしていた。

     早く、会いたい、会わなければ。あの人を、独りにしてはいけないと、きっと本人以外の仲間は皆そう思っているから。


     狗巻の探し人と再会するまで、あと――



     ■  ■  ■



    「実技総合成績出ました」

     そうして映し出された成績表に、雄英の教職員は注目する。特に、トップ10の表に。そのトップ10の中でも、2位と3位の差は数百ポイントと大きく差が開いていた。

    「今年も“また”、『特待生』が来たな」
    「ああ、今年は二人か...」
    「狗巻棘と、繰時停離。それぞれヴィランポイントが275と237、レスキューポイントが72と93...」
    「例年の特待生の平均値は超えているね」
    「では特待生二人は、共に例年通りA組という事で問題ありませんね?」
    「「「異議なし」」」

     特待生、それは雄英でここ十数年で作られた制度。一般入試にて、普通なら一位となるポイントよりも多く...正確には、少なくとも3倍以上の差を付けて合格するような、“規格外”の受験生のための制度。いや、どちらかと言えば特別枠を設けることで一般入試での合格者を18人とする為の、一般入学者の為の制度、だろうか。その特待生は合格平均値を軽く5倍は超えてくるのだから。
     その特待生となる新入生は、毎年必ずA組へ纏めて入れる。何故なら、基本的にその特待生同士は旧知の仲であり、更に言うなれば問題児と成り得るためである。問題児は纏めて教育、そういうことだ。

    「では続いて3位の――」


     会議が続く中、一人の教師はある生徒の名前を...正確にはその人物映像を、凝視していた。
     ...繰時、停離。己の知る名前とは違うが、間違いない。間違えようもない。“記憶”は分からないが...まあ新学期に棘と会うならその反応で分かるか、と頷き、ある人物への連絡は保留とした。連絡した瞬間に暴走する事は火を見るより明らかだったから。

     ただ、願っている。彼女の学校生活が明るく楽しいものであることを。青春を謳歌してくれることを。


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    liliy_usano

    MEMO【ネタメモ】
    *■→twst→鬼滅→twst
    *恋愛要素入れるなら童磨がお相手
    元の世界に帰ったはずの監督生が鬼になって帰って来ちゃった話 元の世界はたぶん普通の世界か、呪術か、毛探偵。そして戻ったと思った世界が鬼滅の世界で、混乱している間に育手か産屋敷の誰かに拾われる。御館様に拾われるなら、岩や音が入る前。あまね様に拾われるなら、原作前か、たんじろーが柱合裁判される辺りか、たんじろー一家が死んだ辺り。無惨とうばつには行けない。
     戦ってる内に何故か鬼にされるし、何故か飢餓感とか人食衝動もなくて、無惨の縛りからも解かれてる状態でスタート。普通に呼吸も使えてるし、日輪刀も持ったまま。血鬼術とかも使えそうな感覚。でも鬼殺隊には戻れないだろうな、と感じて自分付きの鎹鴉に御館様への手紙を頼んで放浪する。
     道中に鬼を狩る。お腹空いたと感じても口や胃が果物しか受け付けないという謎。それでも風の噂で上弦の鬼が倒されていると耳にし、自分も狩ろうかと思案。思案中に上弦の弍に拾われる。そのとき先輩柱(カナエ)の仇なので頸を斬ろうとするも、食べる目的より遊ぶことを楽しんでる気配に困惑。日が昇ってる内に脱出。この時に日が嫌いではない、と気付く。
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    「なあ、ユウはどういう子がタイプ?」

    昼下がりの食堂。各々昼食を食べ終えた俺たち三人は、いつものように雑談で残りの休み時間を潰していた。

    「俺?俺は………んー…誠実な人かな」
    「うわ出た真面目クン。もっとこう、背が小さいーとか、胸が大きいーとかないわけ?」
    「容姿はそんなに…かな。大事なのは中身だろ」
    「わかるぞ、ユウ!!!」
    「さすがデュース」

    がしっと手を握りあう俺とデュースを前にため息をつくエース。

    「あーお前らに聞いた俺がバカだったわ」
    「悪かったな真面目で」
    「そういうエースはどうなんだ?」
    「俺はもちろん、かわいくて、俺より背が小さくて、できれば胸が大きくて――あと、からかい甲斐がある子」
    「エースらしい」
    「だな」
    「でもま、今は別にいいかな」
    「へえ、意外」
    「彼女ほしかったら全寮制の男子校になんか入るわけないだろ」
    「それもそうか」

    そういえば皆、魔法士になりにこの高校へ入学してるんだったな。

    「彼女か……。考えたこともなかったな」
    「デュースに彼女はまだ早いでしょ」
    「どういう意味だ」
    「そのまんまの意味ですけど?」
    「なんだと?」
    「はーーーーいそこま 1070