絵本とその後 薄暗い寝室には暖かい光のランプが照らす可愛らしい二人分の寝顔がある。幸せになった、という決まり文句のような結末が語られる前に閉じちまった絵本と、その寝顔を見比べて吹き出すように笑っちまいそうになるのを堪える。
寝る前に読んで、と自分の娘から持ってこられた絵本が聖騎士についてだったのはまだ分かるが、それが俺自身の話だったのには流石に慌てた。しかも、プライドの読み聞かせかと思いきやプライドが満面の笑みで絵本を俺に渡してきたのには頭を抱えたくなった。ンな可愛い顔で二人にせがまれて抗える人なんていねぇとずっと思う。
「今日は最後まで絶対に起きてるって言ってたのにな」
今度こそと両手を握り締めたプライドは意気揚々絵本を見つめていたくせに、半分読んだくらいでまた船を漕ぎ出し、1分もしないうちに寝てしまった。その時の寝顔が二人ともそっくりで可愛かったなと思い出してまた自然と笑顔になる。普段から寝るのは俺のほうが後で、こうして安らかな寝顔を見るのは1日の中でも俺の好きな時間だ。
「おやすみなさい…良い夢を」
二人に布をかけ直し、額にかかった髪をそっと手で払う。そっと唇を寄せてそう呟く。
王女と、その王女を救った聖騎士は彼らの子供と共に今も幸せに暮らしている。