❏設定❏
・とくになし
❏本文❏
〜彰人行きつけのパンケーキ屋〜
彰人「――――…………!」
彰人:楽しみにしていた新作パンケーキを口に運んだ瞬間に、わずかに瞳を輝かせる
彰人「〇〇さん……この新作パンケーキ、すげえ美味いっす」
モブ「ふふ……よかった、向かいに有名なチェーン店がオープンして以来、お客さんが来なくなっちゃって……彰人くんだけだよ、毎日のようにうちの店に来てくれるのは」
彰人「そいつら、全員分かってないっすね……こんなに美味いパンケーキを出す店なんて他にねえし、自信を持ってください、〇〇さん」
モブ「ありがとう、彰人くん……それと……」
彰人「――――…………?」
彰人(なん、だ……? 急、に……眠気、が……)
彰人:ぐにゃりと視界が歪むような感覚に襲われると同時に、テーブルの上に突っ伏すような体勢で倒れ込む
彰人「……」
モブ「……」
モブ:睡眠薬を盛ったパンケーキの横で、すうすうと寝息を立てはじめた彰人の寝顔を無言で見下ろす
モブ「いつも、ごめんね……」
〜場面転換〜
モブ「はあ、はあ……」
彰人「……」
モブ:店を閉店状態にした上で、意識を失っている彰人の上半身だけをテーブルの上にうつ伏せにさせ、下半身は立たせた状態で、彰人が床に倒れないようにしっかりと体を支えながら、自分に睡眠姦されている彰人の姿をビデオカメラで撮影している
モブ「――……っ! く……っ、う……!」
彰人「……」
モブ「はあ、はあ……」
モブ:相変わらず眠ったままの彰人の中で射精をしてから、ゆっくりと性器を引き抜くと、彰人の中からとろりと溢れてきた精液までしっかりと撮影する
モブ「……」
モブ:その後すぐに事後処理をするも、撮影したばかりの彰人とのハメ撮り動画を見返しながら、いまだに意識を失っている彰人の前で自慰をする
~場面転換~
彰人「ん……」
モブ「あ、目が覚めた? 疲れてたのか、今日も突然眠っちゃったから、店の裏に移動させておいたよ」
彰人「マジすか……いつも、すみません……」
モブ「ふふ、気にしないで……」
モブ(本当に謝らなきゃいけないのは、僕のほうなんだから……)
彰人「店内の居心地がいいからか、つい眠くなっちまうみたいで……」
モブ「……」
彰人「……」
彰人:ほんのりと頬を染める
彰人「居心地がいいって感じるのは、きっと……○○さんのせい、ですけど……」
モブ「――――…………え? 彰人くん、それって……」
~場面転換~
彰人「――……っ、ん……は、あ……! ○、○○、さん……! あ、ああ……!」
モブ「――――…………っ!」
モブ:彰人が自分に恋愛感情を抱いていたことを知り、彰人と性行為をするようになって以来、初めて意識のある彰人を抱いている
彰人「○、○○、さん……っ、好き、です……」
モブ「僕も……彰人くんのことが、好きだよ……」
モブ:ちらりと、彰人とのハメ撮りを録画したデータを隠している棚に視線を向ける
モブ(こんなにも酷いことを、君にしてしまうくらいには、ね……)
~場面転換~
彰人・モブ:店の裏から店内に戻ってきている
彰人「すみません、〇〇さん……オレがパンケーキを食べ損ねたせいで、作り直してもらっちまって……すげえ、美味かったです……」
モブ「気にしないで、僕と彰人くんの仲だからね」
彰人「――――…………っ!」
彰人:先ほどまでモブと行っていた情事を思い出してしまい、勢いよく赤面しながらふいっと視線をそらす
冬弥「すみません、どなたかいらっしゃいませんか」
彰人・モブ「――――…………!」
冬弥:コンコンッと、控えめな音を響かせながら、店のドアをノックしている
彰人「あ……」
彰人:先ほど初体験をしたばかりのため、冬弥に会うことを気まずく感じながらも、モブを振り返る
彰人「それじゃ、○○さん……オレ、この後練習があるんで、そろそろ帰りますね」
モブ「うん、また来てね、彰人くん」
彰人「はい、もちろんです」
彰人:店のドアを開ける
冬弥「彰人、やはりここに居たのか……」
彰人「冬弥、お前な……わざわざ、迎えに来なくていいって言ってるだろうが……」
冬弥「だが、俺の図書委員の仕事が長引いたせいで、お前を待たせてしまっていると思うと……」
彰人「それも、気にしなくていいって言ってんだろ」
冬弥「ああ、そうだったな……」
モブ「――――…………」
冬弥「――……?」
冬弥:モブから視線を向けられていることに気がつくと、軽く会釈をする
冬弥「あの……先ほど、店のドアをノックした件ですが……騒がしくしてしまって、すみません……」
モブ「ふふ、冬弥くんはいつも礼儀正しいね……それより、相棒くんのお世話がとても大変そうだ」
彰人「ど、どういう意味すか、○○さん……!」
冬弥「いえ、そんなことは……むしろ、〇〇さんのほうこそ、相棒の彰人が、いつもお世話になっているようで……」
モブ「や、やだなあ、冗談だって……そんなに深々と頭を下げないでよ、冬弥くん……」
彰人「冬弥……お前は、オレの親か何かか……」
モブ:店内がなごやかな空気に包まれるも、ふと腕時計を確認すると、彰人の肩をポンッと軽く叩く
モブ「彰人くん、練習に行く時間じゃなかったのかい」
彰人「やべ、つい話し込んじまった……それじゃ、今日のところは失礼します、〇〇さん」
冬弥「お邪魔しました」
モブ「ふふ、また来てね、二人とも」
モブ:笑顔を浮かべながら、二人に向かってバイバイと手を振る
モブ「……」
モブ:じゃれあいながら店から離れていく二人を見つめながら、ふと冬弥のほうに視線を移すと、わずかに口角を上げる
冬弥:モブの視線に気がつくことなく、彰人と談笑しながら歩いている
モブ(冬弥くんは、大切な相棒である彰人くんがずっと前から僕にレイプされていて、そうとは知らずに、僕を好きになってしまったことを知ってしまったら……)
モブ:彰人に対する罪悪感を上回るほどに、冬弥に対する優越感を抱いていることに気がつくと、上げていた口角を下げて真顔になる
モブ「一体、どんな反応をするのかな……」
モブ:再び彰人に視線を戻すも、遠ざかっていく二人に背を向けると、ゆっくりと店の奥に向かって消えていく
〜終〜