「おはよう、オルフェ」
「おはよう、イングリット」
いつも通りの朝。7時のアラームに従って起床し、食事スペースに向かうと、既にイングリットが座っていた。イングリットはまん丸の目をしばたたかせ、小さな手で目頭を拭う。
オルフェはいつものように、イングリットの正面の席に座った。
「昨日の体力トレーニングの疲れはとれたかい」
「まだちょっとキツいかも。リデルと違って元々、戦闘用じゃないし」
イングリットは口に手を当ててあくびをする。いつも体調管理はしっかりしているイングリットらしくない。
昨日行った体力トレーニングは、体力作りのためのほんの基礎的なことを行っただけだ。
僕らは一般的な学年に当てはめると幼年学校に入学するくらいの年齢になる。頭脳発達面で言えば、一般の成人コーディネーターよりも遙かに先を行く修学レベルに到達している一方で、身体発達はとりわけ早いというわけではない。そのため、現在の僕らは身体能力的には一般コーディネーターとほぼ同じ、基礎体力作りにやっと着手したところである。
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