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    donadogg

    @donadogg

    ガスパルとエドがちょっぴり突出した21人箱推しマンです。3L、夢何でも美味しく食べます🙂

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    ヴァネッさんから見たイェルシィwith文化祭!!
    恒例の書きたいとこだけ書いたので何でも許せる方向けです。イェルバネリュシと言い張る。

    キミと共に見る世界朝の鍛錬で眼鏡を破壊してしまった。

    困ったことに近くのものはそこまでではないのだが、眼鏡がないと遠くのものは輪郭と大体の色味しか判別できない。

    幸い獅皇祭が近いこともあり通常の授業はほぼ無い事を考えると今日一日を乗り切ればさして支障はない、はずだ。

    二年生の教室がある階への階段を上りかけふと顔を上げるとリュシアンがそこにいた。

    「リュシアン?こんな所にいらっしゃるとは珍しいですね」
    いや、リュシアン……ではなかった。
    リュシアンのように肩に長めのブレイズジャケットを羽織りいつも束ねている髪を下ろし無造作にセットしたパンツルックのイェルシィだった。

    イェルシィはニマーっと笑うと
    「そっかそっか、リュッシーに似てたかー。いやあ、それならこの勝負もらったぜぃ!」といいながらバシバシと肩を叩いてきた。

    聞けばこの文化祭でイェルシィのグループは王子様カフェをやるという。

    「イェルシィは姫君だろう」というと友人はおかしそうに笑って説明してくれた。

    任務でちょうど留守をしていたヴァネッサは初耳だったが…
    なんでも、今年から未来の騎士学校入学者確保の一環として獅皇祭を近隣の住民にも一部公開するにあたり、評判の良かった出し物の参加者には食堂の一ヶ月フリーパスが与えられるということで各自張り切っており

    「王子様を嫌いな女子と、勇者様を嫌いな男子はまずいない」
    とのコンセプトにより男子生徒は皆勇者の、女子生徒は王子の格好で接客するカフェなのだそうだ。

    「もちろん、アタシもフリーパス狙ってるんでよろしく!」

    そこでリュシアンの格好を真似てみたのだという。なぜ王子の仮装でリュシアンなのかと首を傾げたがブレイズ筆頭の彼ならば多くの生徒の憧れの的だろうしイェルシィの着眼点もそこにあるのだろう。と思い直した。

    「ヴァネッさんの衣装も採寸あるから後でまた迎えにくんね」
    そう言い残すとイェルシィは忙しそうに去っていった。

    昼食を取ったあと、クラスメイトに暗幕を取りに行って欲しいと頼まれたヴァネッサは物品庫に向かった。

    暗幕はすぐに見つかった。
    が、ヴァネッサの身長では届かない高さにあったので目についた踏み台に足を掛けようとした時、足が空を切った。
    よく見えていなかったが壊れていたらしい。

    ただでさえ眼鏡がないせいで覚束ない視界がぐらりと揺れる中、採寸のお迎えに自分を追ってきたのか先程と同じ格好をしたイェルシィが見えた次の瞬間抱き止められていた。

    「すまない、助かったイェルシィ」
    と答えてから気付く明らかに女性ではない力強い腕、すっぽりとヴァネッサが収まってしまう胸の広さ。微かに香る紅茶の…

    これは

    「ヴァネッサさんが足を踏み外すとは珍しいですねえ、眼鏡がないせいでしょうか?それはそうと今日の私はイェルシィさんに似ているのですか?」
    「し、失礼しました!ありがとうございますリュシアン」

    電光石火で飛び退き御礼を述べた後、イェルシィがリュシアンに似ているのだと掻い摘んで説明をする。

    「なるほど、イェルシィさんの周りはいつも楽しそうですねえ。それで、私の副官殿はどのような王子に?」

    「いえ、自分ならば王子よりもまだ武器を携えた勇者の方が性に合っているかと。そもそもが接客など私にはとても。裏方で皿洗いでも受け持つつもりです。」
    「それは残念です」
    「?何か問題でも?」と問うと

    「凛々しい王子姿を見たかった…いえ、そうですねえ私からすればヴァネッサさんは姫でも遜色無いと思うのですが」にこにこと付け足したリュシアンの言葉にヴァネッサの頬がみるみる紅く染まる「な!!?リュシアン!また、貴方という人は私を揶揄って…」

    「いえいえ、私は至って真面目に…」
    「リュシアン!!!」

    『おや、本当の事を言っても普段の行いのせいで本気にしてもらえませんか……これはこれは…行動をほどほどに改めねばいけませんかね……』

    「獅皇祭のカフェ美味しいお茶があると嬉しいです」
    というリクエストを残したリュシアンと別れ、暗幕を持ち帰ったヴァネッサにリュシアンもどきのイェルシィが駆け寄る。

    「ヴァネッさんみーっけ!」

    思えば一本の剣であれば良いと思っていた自分がこうして学園生活を謳歌しているのはこの太陽のように眩しい友人がいつも手を差し伸べてくれていたからだなと考えていたら

    「ありがとう、イェルシィ」

    感謝の言葉が自然と口をついた。

    「いーっていーってだいじょぶ!アタシが腕によりをかけてイケメンにしちゃる!!」

    噛み合わないようで噛み合った会話がまるで自分達のようだと腕を引かれながらヴァネッサは微笑んだ。
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