陣痛擬似体験部屋ブラ「出入り口も無いし壁を殴ってもヒビすら入らん…何なんだこの部屋は」
清「俺も分からん…デュフォー、脱出方法は分かるか?」
デュ「そこの装置に全員乗ることでしか無理なようだ。これ以外の答えが出ない」
バリ「この変なベッドと機械は何なんだ?乗ったらどうなるんだよ」
清「メモが貼ってあるな。『これは陣痛シミュレータという陣痛擬似体験装置です。是非女性の陣痛の壮絶さを味わってみてください。使用方法は隣の説明書に載っています。』…だってさ…」
バリ「ジンツーってのは何だ」
デュ「出産時に生じる痛みのことだ。子を産まない男がその痛みを体験出来るようにこの装置が開発されたらしいな」
ブラ「是非というか使わなかったら出られないんだろうが…」
デュ「ここは主人公の清麿が先陣を切るべきだな」
清「主人公関係ないだろ!お前も準主人公みたいなもんだし!公平にジャンケンで決めるのはどうだ」
バリ「何だ?怖気付いているのか清麿。情けねえな」
清「よーしじゃあまずバリーがやれ」
バリ「フン、どうせ全員やるんだろう。俺がさっさと終わらせてやる」
ブラ「調子乗った後で痛い目見るタイプだなお前」
バリ「黙ってろ!出産とかはよく分からねえが俺は痛みに屈するような男じゃ…おい待てこんな格好しなきゃなんねえのか」
清「説明書にはそう書いてあるぞ。今腹にチューブ巻くから待ってろ」
バリ「チューブ…?どういう仕組みだ?」
デュ「それに電流が流れ、内臓を刺激して痛みを生む、と書いてある。周期的に痛むから本物に近いらしい」
バリ「まあ本物だろうが偽物だろうが関係ないな」
デュ「強さが20段階まであるな。」
清「20!?」
デュ「普通は10までだが俺たち用に特別に設定されたらしい。」
清「なんていらない特別感なんだ…」
デュ「ちなみに3〜4くらいで一般の成人男性ほとんどが叫びながらのたうち回るレベルだそうだ。段々上げていってみるか?」
清「何で上げようとするんだよ1でいいだろ…」
バリ「20でいい。そうでないと俺にはぬるすぎる。」
清「嘘だろバリー…いや、お前なら難なく耐えられるか…?」
デュ「そうか。じゃあスイッチ入れるぞ」
バリ「そんな合図はいらんからはやぁ"アアッッ!!!???ッッかは……ッッッ!!!!」
清「ヒッ…!?」
バリ「グァ………ッ!!!!……ッいっっっだァァ!!!!!!クッッソ、ぁぐ……っ!!っは、なん、っ…ハァッッ……!!!??」
デュ「随分痛そうだな。拘束ベルトが無かったらベッドが粉々になりそうな勢いだ」
清「なんで淡々と実況出来るんだよデュフォー…!」
バリ「っは、はぁ、クソ、なんだこれ、こんな痛み知らなッッ…!!!!いぎっ…ぃあッッ、がッ……ァアッ!!!」
清「バリーがこれだけ痛がるんだったら俺は死ぬんじゃないのか…?」
デュ「心配するな。蘇生法は心得ている」
清「安心させる気ないよなお前」
バリ「おいまだ終わらねえのかコレ!!!っあ"、んッぐ……クソッ……!!!」
デュ「スイッチを入れたら3分間止まらないと書いてある。あと2分15秒あるから耐えろ。」
清「3分間……」
ブラ「………」
〜3分後〜
デュ「…終わったみたいだな」
バリ「……………」
清「バリー…?死んでないよな…?」
バリ「………クソ……二度と……やらん……クソ………」
清「ああ生きてる…」
ブラ「声ガラッガラだな」
デュ「よし、次は誰がやる?」
清「…………」
ブラ「…俺がやる」
清「ブラゴ、お前…!」
ブラ「(シェリーもいずれ体験する可能性がある痛み…俺が耐えられないでどうする)」
デュ「お前が産ませる予定なのか?」
ブラ「勝手に思考読んでんじゃねえ!」
デュ「強さはどうする?」
ブラ「…20だ」
清「おいブラゴ!さっきのバリー見てただろ!?最大にする必要はないんだ、よく考えろ!!」
ブラ「口を出すな清麿…俺は耐える…耐えねばならん」
清「ブラゴ…」
デュ「決まったか。じゃあベッドに横たわれ。」
ブラ「…準備が出来たらすぐ始めろ。」
デュ「よし。いくぞ。」
ブラ「っぐゥッッ…!!!!がッッ………ァ"ッ………!!!!」
清「ブ、ブラゴ…!!」
デュ「陣痛を和らげる方法としては、腰をさすったりマッサージしたりというものがあるな。まあ今しても変わらんだろうが」
清「いや!それでも俺はするぞ!耐えろブラゴ!」
ブラ「よっ…けいなことするんじゃねえ!!俺はッ…一人で耐えてみせる…!!ッアァ"ッ…!!!!」
清「ブラゴォォォ!!!」
〜3分後〜
ブラ「…ハァ……っは、………終わった……か………」
清「よく頑張ったなブラゴ…!汗めちゃめちゃすごいぞ…」
ブラ「……腹が……千切れるかと…」
清「…………」
デュ「…どうする、清麿がやるか?」
清「…ああ…俺はこいつらほど痛みに耐性が無いだろうから…俺が気絶した時は、頼んだぞ」
デュ「…了解だ。骨は拾ってやるからな。」
清「…よしデュフォー、いつでも来い」
デュ「ああ。じゃあいくぞ。」
清「あっ待て、強さは1で…」
デュ「…」
清「…デュフォー…?」
デュ「…今までの二人が20だったのに、お前は1にするのか?」
清「えっ」
デュ「スイッチ入れるぞ」
清「待て待て待て待てお前まさかレベル20にしてェアアアアアア"!!!!!!!!!!!!!!」
デュ「耐えろ清麿!立派な赤ん坊を産む為に!」
清「ッぐァァァァアアアアアア………!!!!!!!!い"っっったァア"!!!!!!死ぬ!!!これ絶対死ぬ!!!!!ッァァア!!!!デュフォーお前ッッ!!!!許さなぁ"ッッ………!!!!!!!っはァ!!!!イッ、ァァァァァァ………!!!!つーかっ、産まれる訳がッ!!無いだろうがァァーーーー!!!!!!」
バリ「…断末魔が聞こえるな…」
ブラ「……」
〜3分後〜
清「……………」
デュ「清麿、生きてるな」
清「……デュフォー…俺は……お前を……一生……許さない………」
デュ「ああ、よく耐えたな。偉いぞ」
清「聞いてねえな…くそ…お前も早く…乗…りやが………」
デュ「…気絶したか。俺もさっさと終わらせよう」
バリ「…デュフォー、と言ってたか…?俺たちのこのザマを見てよく怖気付かずにいられるな…その不動の精神だけは認めてやる…」
デュ「ああ、なんたって乗るだけだからな」
バリ「……は、」
ぷしゅーー……
デュ「出口が開いたな。出るか」
バリ「…テメェ…その装置使わなくても出られることは知ってたんだなァ…ぁあ"…?」
デュ「俺は『乗る』と言っただけだ。勝手に使い始めたのはお前達だ」
バリ「あの流れは完全に使わなきゃいけない流れだったろうが!!!貴様殺す!!!!殺してやる!!!!!!ァァ"クソ動け俺の体ァ"!!!!!」
ブラ「(もうなんかどうでもいい)」