☔「授業参観?」
🐟「そうだ」
☔「懐かしいなあ!俺たちもやってたよな」
☀「そうだな」
🐟「母さん、仕事で来れないんだ」
☔「ええ!?そんな…」
🐟「…だからお前たちに、来てほしい」
☔「…俺たちに?」
「今日は『自分の尊敬している人』についての作文を発表してもらいます!」
☔「本当に来てしまったが、家族でもないのにいいのだろうか…」
☀「大丈夫だろ」
☔「悪目立ちしないようにおとなしくするんだぞ!」
☀「分かってる」
(誰かのお父さんかしら)
(息子?)
☔「あっホトトがいたぞ!お〜いホトト〜!」
小声で呼びつつ手をふる
☀「お前のほうが目立ってるだろ」
こっちを振り向いてしーっというジェスチャーをするホトト
☔「あっ……はい……」
☀「ほら」
「じゃあ次はー…」
ホトトが手を上げる
「じゃあ、ホトトさん」
🐟「はい」
☔「ホトトだ!ホトトが発表するぞ!天晴カメラ!カメラ持ってきたか!?」
☀「持ってきてないしうるさい。黙って聞いてろ」
🐟「僕が一番尊敬している人は、父さんです。」
🐟「父さんは2年前に事故で死んでしまいました。父さんは山や川で動物や魚を捕る人で、よく僕を一緒に連れて行ってくれました。狩りがとても上手で、色んなことを知っていて、厳しい時もあるけど優しい。そんな父さんが、僕は大好きでした。父さんはもういないけど、僕は今でも父さんを尊敬しています。」
🐟「父さんだけじゃなくて、母さんのことも尊敬しています。母さんは父さんが死んだ後もいつもどおりに振る舞って、家事や掃除、仕事などを毎日頑張っています。そんな母さんを、僕ができるだけ支えていきたいと思います」
🌧「ぐすっ……ううっ……」
☀「何でお前が泣くんだよ」
🐟「…最後に、ぼくが尊敬している人は、あと二人います。」
🐟「僕の家の近所に住んでいる、天晴と小雨という年上のお兄さんです。」
🌧「!」
☀「!」
🐟「天晴はとても頭が良くて、自分の決めたことを必ずやり遂げる、かっこよくてすごい人です。小雨は情けない所もあるけど、人を助ける為に動ける、優しくて強い人です。」
🐟「父さんが死んで僕が落ち込んでいた時、天晴は僕が今できる事を教えてくれて、小雨は話を聞いてくれました。僕は二人にたくさん助けられたし、今でも一緒に遊んでいます。そんな二人を、僕は尊敬しているし、…」
一瞬息を呑む
🐟「家族のように、思っています」
赤い頬で言い切る
ぽかんとする小雨と天晴
🐟「…終わりです」
席につくホトト
響く拍手の音
ハンカチを握りしめて無言でだばだば泣いている小雨
☀「…泣きすぎだろ」
赤い頬で腕を組みながら言う
授業後
☔「ホトト〜〜!!!」
駆け寄って抱き上げる
🐟「うわっ!やめろ小雨!おろせ!」
☔「そうかそうか〜家族か〜!いいんだぞ俺のことパパって呼んでも!」
頬にキスしようとする
🐟「誰が呼ぶか!おろせって!」
赤くなって手で拒む
☀「ホトト」
🐟「あ、天晴…」
☀「…作文良かったぞ。俺もお前をすごいと思ってる。あと…最後のも、嬉しかった。」
🐟「…!」
ぱあと頬が赤くなる
「ホトトくんその人たち誰〜?」
「作文で言ってたお兄さん?」
🐟「あ、うん…」
「どっちが小雨でどっちが天晴ー!?」
☔「俺が小雨で、こっちが天晴だ!」
「へ〜〜!小雨おっきい〜!!」
☔「わっはっは、大きいし力持ちなんだぞ〜!」
子供を抱える
「天晴さんほんとにお兄さんなの?女の子じゃないの?」
☀「ああ」
「小雨さんと付き合ってるの?」
☀「いや、付き合ってない」
🐟「ひ…人だかりが…」
子供に囲まれる天晴と小雨を見る
🐟「…やっぱり、二人ともすごい」
笑顔になるホトト